| 研究課題名 | ゲノム情報を基盤とした次世代アレルギー戦略 |
| レコードタイプ | 研究実績報告 |
| 報告年度 | 2002 |
| 研究期間 | 2002-2004 |
| 研究課題番号 | 14370165 |
| 研究代表者 | 久保 允人 (クボ,マサト) 東京理科大学・生命科学研究所・助教授 |
| 研究代表者番号 | 40277281 |
| 研究機関 | 東京理科大学 研究機関番号:32660 |
| 研究分担者 | 香山 雅子
(コウヤマ マサコ)
東京理科大学・生命科学研究所.
助手
(80318229)
林 克彦 (ハヤシ カツヒコ) 大阪府立母子保健総合医療センター・病因病態部門. 研究員 (20287486) 関 陽一 (セキ ヨウイチ) 東京理科大学・生命科学研究所. 日本学術振興会特別研究員 |
| 研究種目 | 基盤研究(B) 研究種目コード:310 |
| 審査区分 | 一般 区分コード:03 |
| 研究分野[2] | 内科学一般 研究分野コード:631 |
| キーワード | サイトカインシグナル / T細胞機能分化 / Th1 / Th2 / IL-4 / STAT6 |
| 研究概要 | 同一の染色体上で近接した領域に存在するIL-4,IL-5,IL-13など喘息やアレルギーの起因となるサイトカイン発現が、T細胞の分化段階で全く同時に発現することに着目し、これら遺伝子を包括的に制御する分子機構を明らかにすることを本研究の目的とした。本年度我々はT細胞抗原レセプター(TCR)とサイトカインレセプターシグナルが、どのようにTh2分化の過程で起こるゲノムの動態を制御しているのかを明らかにするため、ヒトIL-4レセプターTgをIL-4レセプター欠損マウスに交配しhIL-4RTgXIL-4R KOマウスを確立し、ヒトIL-4によりTh2分化を誘導する系を用い解析を行った。この結果、IL-4シグナルはTCRシグナルの後に導入された場合にのみTh2分化が起こること、IL-4シグナルによって誘導される転写因子GATA-3の発現のタイミングが重要であることが分かってきた。さらに、IL-4遺伝子内でTh2分化に伴いクロマチンリモデリングを起こしている領域を指標として、IL-4遺伝子の様々な領域を含むGFPをレポーターとしたトランスジェニック(Tg)マウスを作製した。14年度はこれらマウスを使用し以下の解析を行っていく。Th2サイトカイン遺伝子領域内でのDNase I高感受性領域・メチル化の解析から、GATA-3の発現に伴い短時間でクロマチンの構造変化が起こり、一度分化が決定した細胞ではIL-4シグナルが導入されてもその性質は変わらない事が示された。 さらに我々はIL-4プロモーターGFP TgによるLCR領域の同定とLCRノックアウトマウスの作製を試みた。そこで、IL-4遺伝子座の様々なゲノム領域を含むGFPをレポーターとしたトランスジェニックマウスを作製し、これらマウスを解析したところ、IL-4遺伝子のプロモーター領域単独ではT細胞におけるIL-4の発現をコントロールできず、重なるエンハンサーの存在が必要とされた。重なる解析よりTh2特異的発現は、IL-4遺伝子の3'下流に位置する哺乳類間でゲノム構造がよく保存されているCNS-2と呼ばれる領域で制御されていることが分かってきた。ところが、この領域はナイーブT細胞がTh2に分化する際の過程を制御しているのではなく、CD4^+,CD44^<high>,CD62L^<low>のメモリーT細胞におけるIL-4の発現を制御していた。さらに興味深いことに、このメモリーT細胞はそれぞれTh1およびTh2分化条件においてやることにより、Th2分化条件ではその活性が見られたが、Th1分化条件ではその活性は完全に消失した。現在この制御機構の詳細について解析中である。 |
| 発表文献 | Yagi, R., Suzuki, W., Seki, N., Inoue, T., Kohyama, M., Arai, T., Kubo, M.:
"The IL-4 Production Capability of Different Strains of Naive CD4^+ T cells controls the Direction of the Helper T cell response"
International Immunology 14.
1-11
(2002)
Yagi, R., Nagai, H., Iigo, Y., Akimoto, T., Arai, T., Kubo, M: "Development of the atopic dermatitis (AD)-like skin lesions in signal transducers and activators of transcription (STAT) 6 deficient NC/Nga mice" Journal of Immunology 168. 2020-2027 (2002) Arima, M., Toyama, H., Ichii, H., Kojima, S., Okada, S., Hatano, M., Cheng, G., Kubo, M., Fukuda, T., Tokuhisa, T.: "A putative silencer element in the IL-5 gene recognized by Bcl6" Journal of Immunology 169. 829-836 (2002) Seki, Y., Hayashi, K., Seki, N., Matsumoto, A., Seki, N., Tsukada, J., Ransom, J., Naka, T., Kishimoto.T., Yoshimura, A., Kubo, M.: "Selective expression of suppressor of cytokine signaling-5 (SOCS5) in type 1 helper T cell negatively regulates IL-4 dependent STAT6 activation" Proc. Natl. Acad. Sci. USA 99. 13003-13008 (2002) Kinjyo I, Hanada T, Inagaki-Ohara K, Mori H, Aki D, Ohishi M, Yoshida H, Kubo M, Yoshimura, A: "SOCS-1/JAB is a negative regulator for LPS-induced macrophage activation" Immunity 17,5. 583-591 (2002) Matsumoto, A., Seki, Y., Watanabe, R., Hayashi, K., Johnston, J.A., Harada, Y., Abe, R., Yoshimura, A., Kubo, M: "A role of Suppressor of Cytokine Signaling-3 (SOCS3/CIS3/SSI3) is CD28 mediated IL-2 production" J. Exp. Med. 197. 425-436 (2003) |