| 研究課題名 | 変形性関節性の病因における軟骨細胞のアポトーシスの意義と治療開発への応用の検討 |
| レコードタイプ | 研究実績報告 |
| 報告年度 | 2002 |
| 研究期間 | 2001-2002 |
| 研究課題番号 | 13770245 |
| 研究代表者 | 増子 佳世 (マスコ,カヨ) 聖マリアンナ医科大学・難病治療研究センター・助手 |
| 研究代表者番号 | 80288208 |
| 研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 研究機関番号:32713 |
| 研究種目 | 若手研究(B) 研究種目コード:260 |
| 研究分野[2] | 内科学一般 研究分野コード:631 |
| キーワード | 軟骨細胞 / アポトーシス / Fas / 関節リウマチ / 変形性関節症 / 熱ショック蛋白 / caspase |
| 研究概要 | 関節リウマチ(rheumatoid arthritis ; RA)や変形性関節症(osteoarthritis ; OA)などの関節疾患の病因、および加齢にともなう軟骨変性を促進する一つの要因として、軟骨細胞のアポトーシスによる細胞死の関わりが示唆されている。今回我々は、ヒト由来培養関節軟骨細胞のアポトーシスを起こす要因について解析した。RA, OAおよび外傷患者由来軟骨組織より軟骨細胞を分離し、単層培養系により継代培養を行った。これらの細胞に対し、抗Fas(CD95)抗体、アクチノマイシン、シクロヘキサミド(ChX)を用いてアポトーシス誘導を試みた。アポトーシスは、propidium iodideおよびHoechstによるDNA染色、およびcaspase-3活性測定法により、定性的および定量的に同定した。この結果、各々単独の処理によっては十分なアポトーシスが誘導されなかったが、ChX前処理の後抗Fas抗体で処理すると軟骨細胞のアポトーシスの頻度が増加した。次にこれらのアポトーシス処理済あるいは未処理の細胞を可溶化し、全細胞抽出物とし、細胞内に発現している蛋白の同定及び解析を試みた。この結果、軟骨細胞においてはアポトーシス抵抗性分子であるFLIPの他、heat shock protein(hsp)-70も発現していることが明らかとなった。さらに、抗Fas抗体刺激によるcaspase-8活性化が軟骨細胞では不十分であることが判明した。これらの結果より、Fas/FADD/caspase-8からなるdeath inducing signal complex (DlSC)内でのpro-caspase-8からcaspase-8(活性型)への変換が、FLIPないしhsp-70によって阻害されている可能性が示唆された。 以上の結果より、ヒト関節軟骨細胞においては、FLIP/hsp-70などの発現を介してCD95依存性apoptosis抑制機構が機能している可能性が示された。軟骨細胞の細胞死が関節疾患の病因に関与していることが示唆されていることから、アポトーシスの制御機構の解明が関節疾患の新たな治療ないし予防戦略になりうると考えられた。 |
| 発表文献 | Yuan GH, Masuko-Hongo K, Kato T, Nishioka K.:
"Immunological intervension in the pathogenesis of osteoarthritis"
Arthritis Rheum (In press).
Inoue K, Masuko-Hongo K, Okamoto M, Nishioka K.: "Efficacy of daily compared to intermittend administration of IL-1Ra for protection against bone and cartilage destruction in collagen-challenged mice" Clin Exp Rheumatol 21. 33-39 (2003) 増子佳世, 加藤智啓: "変形性関節症成因への新しい展開" カレントテラピー 21(3). 71-74 (2003) 増子佳世, 中村洋: "生体応答制御とアポトーシス 軟骨細胞" 臨床免疫 38(suppl 20). 232-236 (2002) Masuko-Hongo K, Kato T, Nishioka K.: "Virus-associated arthritis, in Best Practice & Research Clinical Rheumatology" Elsevier Science Limited (In press). |