自己のDNAによる自然免疫活性化の分子機構


研究課題名 自己のDNAによる自然免疫活性化の分子機構
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 2005
研究期間 2004-2005
研究課題番号 16590246
研究代表者 川根 公樹  (カワネ コウキ) 大阪大学・生命機能研究科・助手
研究代表者番号 60362589
研究機関 大阪大学 研究機関番号:14401
研究分担者 長田 重一  (ナガタ シゲカズ)  大阪大学・生命機能研究科.  教授  (70114428)   
研究種目 基盤研究(C) 研究種目コード:320
審査区分 一般 区分コード:03
研究分野[3] 病態医化学 研究分野コード:6906
キーワード DNaseII / 赤血球分化 / 脱核 / マクロファージ / IFN-β / DNA / TLR
研究概要 赤血球前駆細胞は、最終分化の過程で脱核し成熟赤血球となる。我々は、DNaseII遺伝子欠損マウスの解析を行い、脱核時に放出された核はマクロファージによって貪食され、この核DNAはマクロファージのリソソームに存在するDNaseIIによって分解されることを示してきた。このマウスは、造血の場である胎仔肝臓のマクロファージ内に未分解のDNAが蓄積し、重度の貧血を呈して胎性致死となる。しかし、なぜDNAが蓄積すると貧血がおこるのか、その機構は不明であった。本研究では、その機構を明らかにすることを目的とし、昨年度の研究において、DNaseII欠損マウスでの貧血の原因は、未分解DNAを蓄積して活性化されたマクロファージがIFN-βを産生し、赤芽球の増殖、分化を妨げていたためであることを示した。これに続き本年度は、自己のDNAがマクロファージにIFN-β産生を誘導する分子機構として、微生物由来のパターンを認識して自然免疫を活性化させるTLRシステムの関与を検討した。細菌のDNAを認識するレセプターToll Like Receptor-9(TLR-9)、ウイルスの二本鎖RNAを認識するレセプターTLR-3欠損マウス、あるいはTLRからのシグナルを伝達するアダプター分子Myd88、TRIF欠損マウスとDNaseIIヘテロ欠損マウスをそれぞれ交配し、種々のTLRシステム構成分子とDNaseIIとの二重欠損マウスの作成を試みた。いずれのTLRシステム構成分子とDNaseIIとの二重欠損マウスでも、胎仔肝臓でのIFN-β遺伝子の活性化が依然としてみられ、貧血は改善せずマウスは胎生期で死亡した。従って、既知のTLRシステムは、DNaseII欠損マウスでの、自己DNAが誘導するIFN-βの産生に必須ではないことが明らかとなった。この結果より、DNAを認識して自然免疫を活性化させる、未知の分子機構の存在を示唆できた。
発表文献 Okabe, Y., et al.:   "Toll-like receptor-independent gene induction program activated by mammalian DNA escaped from apoptotic DNA degradation."  J.Exp.Med. 202.  1333-1339  (2005)  
Yoshida, H.et al.:   "Phosphatidylserine-dependent engulfment by macrophages of Nuclei from erythroid precursor cells."  Nature 437.  754-758  (2005)  


 

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