DNA複製・複製後DNA修復が細胞ゲノム統合性・発癌抑制に与える影響


研究課題名 DNA複製・複製後DNA修復が細胞ゲノム統合性・発癌抑制に与える影響
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 2005
研究期間 2004-2005
研究課題番号 16590244
研究代表者 鈴木 元  (スズキ モトシ) 名古屋大学・大学院・医学系研究科・講師
研究代表者番号 80236017
研究機関 名古屋大学 研究機関番号:13901
研究分担者 村手 隆  (ムラテ タカシ)  名古屋大学・医学部.  教授  (30239537)   
研究種目 基盤研究(C) 研究種目コード:320
審査区分 一般 区分コード:03
研究分野[3] 病態医化学 研究分野コード:6906
キーワード DNAポリメラーゼ / DNA複製 / ミスマッチ修復 / ゲノムインスタビリティー / 損傷乗り越え / DNA損傷
研究概要 我々はDNA複製エラーとゲノムインスタビリティーの分子機構の関係を解析するため、複製エラーを特異的に増加するDNApolα変異体をスクリーニングしL868F polαを得た。酵母L868Fpolαはin vitroで600倍の複製エラーの増加と、細胞中で約8倍のゲノムインスタビリティーをもたらす。今年度はこの細胞株を用いることによってpolαエラーとミスマッチ修復機構の間に少なくとも二つの経路があることを発見した。まず第1に、DNApolαの複製エラーは同じ複製ポリメラーゼであるDNApolδによって校正される。興味深いことにもうひとつの複製ポリメラーゼであるεは関与せず、この過程は特異性が高い。また、第2の経路はさらに別のDNAポリメラーゼの関与を示唆するものであり、現在その詳細について検討を行っている。これらの結果は損傷乗り越え型DNApolに特異的に保存された本アミノ残基がDNA複製酵素群の精度と機能分化に重要であること、polαエラーの下流には特有のエラー処理機構が存在すること、これらが協調してゲノムインスタビリティーの抑制に関与していることが示唆している。また、第2の経路は複製エラーを積極的に引き起こす系であることより、DNA複製は必ずしも子孫に正確な遺伝情報を伝えることに忠実ではなく、主体的に変異を導入することにより生物の進化に貢献している可能性が示唆された。ヒトにおいてはこの系が発癌や遺伝病に関与していることが考えられ、今後発病の解明と治療の遺伝子ターゲットの一つになる可能性が考えられる。
発表文献 Sobue, S.:   "Transcription factor Sp1 is the main regulator of NGF-induced sphingosine kinase 1 gene expression of the rat pheochromocytoma cell line, PC12."  J Neurochem 95・4.  940-949  (2005)  
Pavlov, Y.I.:   "Exonucleolytic Correction in Trans of Eukaryotic Lagging Strand DNA Replication Errors"  Curr Biol (In press).  
新美敦子:   "ゲノム安定化におけるDNAポリメラーゼαの役割"  生化学 77・3.  200-205  (2005)  


 

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