アミロイドβ分解酵素ネプリライシンの発現及び活性制御機構の解明


研究課題名 アミロイドβ分解酵素ネプリライシンの発現及び活性制御機構の解明
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 2004
研究期間 2003-2004
研究課題番号 15790170
研究代表者 斉藤 貴志  (サイトウ タカシ) 独立行政法人理化学研究所・神経蛋白制御研究チーム・研究員
研究代表者番号 90360552
研究機関 独立行政法人理化学研究所 研究機関番号:82401
研究種目 若手研究(B) 研究種目コード:260
研究分野[3] 病態医化学 研究分野コード:6906
キーワード アミロイドβペプチド / ネプリライシン / ソマトスタチン
研究概要 アルツハイマー病(AD)は、脳内のアミロイドβ(Aβ)の過剰な蓄積に起因すると考えられており、この蓄積したAβ量を減少させることがADの治療、予防に有効であることが報告され始めている。我々が標的にしているネプリライシンは、脳内におけるAβ分解の主要プロテアーゼであり、この活性・発現制御機構の解明が、脳内Aβ量の減少によるADの治療・予防法の確立へ大きく貢献すると考えられる。
本研究課題において、まずネプリライシンの活性・発現を制御する因子のスクリーニングを行った。我々が確立したネプリライシン活性染色法(ネプリライシン活性を視覚的にとらえる方法)によりスクリーニングを行った結果、唯一ソマトスタチンがネプリライシン活性を増加させることが明らかとなった。ソマトスタチンは、AD患者の脳内で減少している神経ペプチドの一つとしても知られている。初代培養神経細胞を用いてさらに検討を進めたところ、ソマトスタチンの効果はネプリライシン選択的であることが明らかとなり、ネプリライシン活性を賦活化することで培養上清中のAβ42レベルを低下させることが明らかとなった。
そこで、ソマトスタチン欠損マウスを用いて解析を行った。その結果、ソマトスタチン欠損マウスでは脳内ネプリライシン活性が低下しており、その反作用として脳内Aβ量の増加が認められた。しかもそれはAβ42選択的であることが明らかとなった。さらに詳細に解析を進めた結果、ソマトスタチンはネプリラィシシの発現・活性ばかりではなく、そのプレシナプスへの局在も制御していることが明らかとなった。以上のことから、、ソマトスタチンは、in vitro, in vivoにおいてネプリライシン活性を制御していることが明らかとなり、ソマトスタチン受容体作動薬がADの根本治療・予防のための創薬への有用な候補になりえると思われる。
発表文献 Saito T, Iwata T, Tsubuki S, Takaki Y, Takano J, Huang SM, Suemoto T, Higuchi M, Saido TC:   "Somatostatin regulates brain amyloid β peptide, Aβ42, via modulation of proteolytic degradation"  Nature Medicine (in press).   (2005)  


 

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