| 研究課題名 | DNA損傷におけるがん細胞のアポトーシス誘導制御と機能解析 |
| レコードタイプ | 研究実績報告 |
| 報告年度 | 2004 |
| 研究期間 | 2003-2004 |
| 研究課題番号 | 15790163 |
| 研究代表者 | 吉田 清嗣 (ヨシダ キヨツグ) 東京医科歯科大学・難治疾患研究所・助手 |
| 研究代表者番号 | 70345312 |
| 研究機関 | 東京医科歯科大学 研究機関番号:12602 |
| 研究種目 | 若手研究(B) 研究種目コード:260 |
| 研究分野[3] | 病態医化学 研究分野コード:6906 |
| キーワード | アポトーシス / DNA損傷 / プロテオミクス / キナーゼ / がん細胞 |
| 研究概要 | 抗癌剤によって活性化されアポトーシスを誘導するキナーゼ群について、その細胞周期やアポトーシス誘導における役割を明らかにするために、キナーゼcDNAにタグを挿入し、細胞に発現させた後、LC-MS/MSによるプロテオーム解析にて複合体を単離した。c-AblチロシンキナーゼとプロテインキナーゼCδ(PKCδ)について複合体の同定並びに解析を進め、その中で両方のキナーゼに共通の基質となるhRad9について機能解析を行った。hRad9は分裂酵母Rad9のヒトホモローダであり、細胞周期チェックポイント機構を担うと考えられている核蛋白である。またBcl-2/xLと会合し、アポトーシスを誘導することが明らかにされたが、その制御機構は不明であった。申請者はまずc-AblがRad9と結合し、BH-3 like domainのチロシンをリン酸化することを見い出した。またこのリン酸化がBcl-2/xLとの会合に必要であり、かつアポトーシス誘導に必須であることを明らかにした。次に、Rad9の恒常的かつDNA損傷で誘導されるリン酸化を担う主要なキナーゼとしてPKCδを同定した。PKCδによるリン酸化はRad9-Hus1-Rad1複合体形成に必要であり、またPKCδの活性阻害による脱リン酸化状態のRad9ではもはやBcl-2と会合できないことを示し、PKCδによるアポトーシス誘導のメカニズムの一端が明らかとなった。さらに種々の手法を用いてこれらのキナーゼの細胞内局在を調べたところ、DNA損傷に伴って核に移行することを見い出した。核への移行はキナーゼの活性化依存的かつアポトーシス誘導に必須であり、あるがん細胞ではこの核移行が阻害されていることを明らかにした。またこの核移行機能不全が薬剤耐性獲得に関わっているという可能性を示唆する結果を得ており、現在より詳細なメカニズムを明らかにしようと試みている。 |
| 発表文献 | Abbas, T., et al.:
"Inhibition of human p53 basal transcription by down-regulation of protein kinase Cδ."
J.Biol.Chem. 279.
9970-9977
(2004)
Yoshida, K., et al.: "Role of BRCA1 and BRCA2 as regulators of DNA repair, transcription, and cell cycle in response to DNA damage." Cancer Sci. 95. 866-887 (2004) Yoshida, K., et al.: "JNK phosphorylation of 14-3-3 regulates nuclear targeting of c-Abl in the apoptotic response to DNA damage." Nature Cell Biology 7・3. 278-285 (2005) 吉田清嗣, 三木義男: "病気はどこまでゲノムで決められているか『癌』" MolecularMedicine 41・増刊. 250-257 (2004) 吉田清嗣, 三木義男: "SNPsと有害事象情報" 現代医療 36. 1347-1352 (2004) 吉田清嗣, 三木義男: "転写因子と癌II : BRCAと発癌" 臨床検査 48. 701-709 (2004) |