未分化腎間葉細胞内に存在する腎幹細胞の同定と特異マーカーの確立


研究課題名 未分化腎間葉細胞内に存在する腎幹細胞の同定と特異マーカーの確立
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 2004
研究期間 2003-2004
研究課題番号 15659065
研究代表者 長田 道夫  (ナガタ ミチオ) 筑波大学・大学院・人間総合科学研究科・教授
研究代表者番号 10192238
研究機関 筑波大学 研究機関番号:12102
研究種目 萌芽研究 研究種目コード:401
研究分野[3] 医化学一般 研究分野コード:6905
キーワード 未分化腎間葉細胞 / 腎幹細胞 / 分化 / 血管内皮細胞 / VE-cadherin / vWF / MS7
研究概要 腎臓は、高度に分化した臓器で再生しないと考えられてきた。しかし、最近多臓器に、臓器特異的幹細胞が発見され、分化誘導が試みられている。本研究は、腎臓の前駆細胞あるいは腎幹細胞と考えられている、後腎未分化間葉細胞の性格を明らかにし、特異的マーカーを確立することである。
まず、未分化後腎間葉細胞のクローン細胞株をSV40 T抗原トランスジェニックマウス胎児(E11.5)腎臓から樹立した(MS7細胞株)。MS7は、紡錘形で間葉細胞の形態を示し、RT-PCRでは、NCAM, WT1,vimentin, Flk1,Flt1,Tie2,podocalyxinの遺伝子発現を認めたことから、血管内皮細胞としての性格を持つことが分かった。しかし、他の血管内皮細胞のマーカーであるVEcadherinや、成熟度の高いマーカーであるvWF, CD31の発現は認めなかった。次に、本細胞が血管内皮細胞に分化するか否かについて、分化誘導実験を行った結果、細胞をconfluentな状態で培養すると、細胞周期は停止し、遺伝子レベルではVE-cadherin, vWFの発現を認めた。
この現象は、Vecadherinでは、培養4日目に、vWFでは培養14日目にそれぞれ発現亢進を認めた。さらにvWFでは蛋白レベルの増加を認めたが、VEcadherinではこれを認めなかった。また、VEGF, FGF-2などの成長因子による刺激は、この分化誘導を促すという結果は得られなかった。Collagen I, IVをコーティングした培養条件でも、これらの遺伝子発現には変化を認めなかった。
以上から、未分化腎間葉細胞(MS7)は、その遺伝子発現プロファイルから、血管内皮細胞に類似した形質を持つこと、培養条件によっては分化型マーカーの発現が蛋白レベルでも誘導されることが分かった。
発表文献 臼井丈一:   "後腎間葉細胞から血管内皮細胞へのin vitroでの分化検討"  発達腎研究会誌 12.  31-35  (2004)  


 

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