流れ刺激依存的な血管機能の変化に対するリゾホスファチジン酸の影響


研究課題名 流れ刺激依存的な血管機能の変化に対するリゾホスファチジン酸の影響
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 2005
研究期間 2004-2005
研究課題番号 16590206
研究代表者 大幡 久之  (オオハタ ヒサユキ) 昭和大学・薬学部・助教授
研究代表者番号 00119166
研究機関 昭和大学 研究機関番号:32622
研究種目 基盤研究(C) 研究種目コード:320
審査区分 一般 区分コード:03
研究分野[3] 薬理学一般 研究分野コード:6904
キーワード 血管内皮細胞 / 機械受容応答 / リゾホスファチジン酸 / 流れ刺激 / 細胞内Ca^<2+>イオン濃度 / 機械受容チャネル / in situ
研究概要 流れ刺激下にあるマウス大動脈組織切片中の内皮細胞及び平滑筋細胞の細胞内カルシウム動態と血管機能を二光子励起顕微鏡を用いて評価する実験系を構築し、生体活性リン脂質の一つとして注目されるリゾホスファチジン酸(LPA)の作用を検討した。その結果、LPAは流れ刺激存在下で内皮依存的な血管収縮応答を引き起こし、そのメカニズムとして内皮細胞からのトロンボキサンA_2遊離の関与が示唆された。同時に持続的なCa^<2+>上昇を起こす内皮細胞では細胞膜の損傷を誘発することが明らかとなった。さらに大動脈から分岐し不均一な流れ刺激に曝されている腎動脈におけるLPAの作用を比較検討した。その結果、LPAによるシェアストレス依存的な内皮細胞のCa^<2+>応答増強作用は、血管部位や恒常的に曝されているシェアストレス強度の違いに関わらず認められ、LPAの血管内皮細胞に対する作用は普遍的であると考えられた。また、この作用は18:1LPA特異的な現象であることが示唆された。このことから、本研究で認められた内皮細胞Ca^<2+>応答は、18:1LPA特異的な既知、または未知LPA受容体、あるいは18:1LPAに対して特異的な反応性を示す作用部位を介して生じる可能性があるが、詳細についてはさらなる検討が必要である。今回行った腎動脈などの血管の分岐部では、高濃度LPAの状態では部位間の反応性の違いが助長され、内皮細胞機能に多大な影響を与えると考えられるため、内皮細胞機能変化を伴う血管病変の発症には血流による流れ刺激だけでなくLPA濃度の変動が大きな要因になることが示唆された。また、このような状態では、内皮細胞依存的な腎動脈収縮が誘発され、その結果として腎血流量低下、腎機能低下などが生じる可能性が考えられた。以上のことから、LPAはシェアストレス変化に伴う血管機能の生理的、病態生理的な変化に対し多大な影響を与える生理活性脂質であると考えられた。
発表文献 Hashimoto, Terumasa et al.:   "Lysophosphatidic acid induces histamine release from mast cells and skin fragments."  Pharmacology 75.  13-20  (2005)  
宮崎拓郎 他:   "流れ刺激存在下の血管内皮細胞において認められる細胞内カルシウム濃度上昇によるカルパインを介する細胞形態の制御"  日本薬理学雑誌 126.  256-261  (2005)  
Hashimoto, Terumasa et al.:   "Lysophosphatidic acid induces plasma exudation and histamine release in mice via LPA"  J.Pharmacol.Sci 100.  82-87  (2006)  


 

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