循環器疾患発症機構に果たす肥満細胞の主体的役割の解析


研究課題名 循環器疾患発症機構に果たす肥満細胞の主体的役割の解析
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 2005
研究期間 2004-2005
研究課題番号 16590193
研究代表者 塩田 直孝  (シオタ ナオタカ) 島根大学・医学部・助教授
研究代表者番号 60206050
研究機関 島根大学 研究機関番号:15201
研究分担者 田中 徹也  (タナカ テツヤ)  島根大学・医学部.  助手  (10346380)   
研究種目 基盤研究(C) 研究種目コード:320
審査区分 一般 区分コード:03
研究分野[3] 薬理学一般 研究分野コード:6904
キーワード 肥満細胞 / キマーゼ / 線維化 / 循環器疾患
研究概要 肥満細胞は、サイトカイン、増殖因子、プロテアーゼなど多彩な生理活性物質を産生分泌する多機能炎症細胞である。肥満細胞は炎症やアレルギーを誘導する細胞として知られているが、循環器疾患の発症機構に果たす役割は明らかになっていなかった。この研究課題では、遺伝的に高血圧や心肥大、線維化を発症する自然発症性高血圧ラット(SHR)を用いて肥満細胞の解析を行い以下のことを明らかにできた。1)SHRでは生後直後より既に心臓、血管壁、筋肉、皮膚等に肥満細胞の局在が認められ、更にこれらの組織に局在する肥満細胞数は対照のコントロールラット(WKY)における数よりも有意に多く、SHRでは肥満細胞が高血圧発症前より心血管壁などの組織局所で増殖していることが明らかになった。2)心血管壁に存在する肥満細胞は、TNF-α、FGF2、TGF-β1などのサイトカインや増殖因子を発現していた。3)高血圧発症前のSHRにおいて、心血管壁でのTNF-α、NF-kb、IL-6、c-kitおよびchymaseの遺伝子発現量はコントロールの正常ラット(WKY)での発現量よりも有意に高かった。4)高血圧発症前の生後2週齢の時点より、肥満細胞脱顆粒抑制薬であるトラニラストをSHRに10週間連続経口投与することで、心血管壁に存在する肥満細胞数の減少が起こり、高血圧の発症と心臓線維化を抑制できた。5)またトラニラストの投与により動脈周囲の肥満細胞数の減少と動脈壁の肥厚抑制、動脈周囲線維化の抑制も認められた。以上の結果より肥満細胞の増殖活性化機構の異常が循環器疾患発症のトリガー機構に関連する可能性が示唆された。
発表文献 Naotaka Shiota:   "Effect of mast cell chymase inhibitor on the development of scleroderma in tight skin mice"  British Journal of Pharmacology 145・4.  424-431  (2005)  


 

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