遺伝子発現プロファイルに基づく降圧薬のクラスタリング


研究課題名 遺伝子発現プロファイルに基づく降圧薬のクラスタリング
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 2004
研究期間 2003-2004
研究課題番号 15790132
研究代表者 西村 有平  (ニシムラ ユウヘイ) 三重大学・医学部・講師
研究代表者番号 30303720
研究機関 三重大学 研究機関番号:14101
研究種目 若手研究(B) 研究種目コード:260
研究分野[3] 薬理学一般 研究分野コード:6904
キーワード 降圧薬 / 血管平滑筋 / アンジオテンシン / ブラジキニン
研究概要 日本における高血圧症患者は3000万人以上と推定されており、国民医療費の中で大きな割合を占めている。従って、効果的な高血圧治療を行うことは医療経済にも極めて大きな効果をもたらす。アンジオテンシン変換酵素阻害薬は、降圧薬であるばかりでなく、心臓や腎臓などに対する臓器保護作用、心血管疾患予後改善効果を有することが大規模臨床試験により実証されている。しかし、その詳細な機序は不明な点が多く残されている。我々はアンジオテンシン変換酵素阻害薬によるブラジキニンの分解抑制作用に焦点を当て、ブラジキニンによる血管平滑筋細胞増殖の制御機構を解析した。
ヒト大動脈血管平滑筋細胞を培養して、ブラジキニンを24時間作用させ、DNA合成の変化をBrd-U取り込みにより検討した。ブラジキニン受容体拮抗薬、MAPキナーゼ阻害薬、PI3キナーゼ阻害薬などを用いて、ブラジキニンによる細胞増殖調節への影響を検討した。また、ブラジキニンにより発現調節される遺伝子群を包括的に解析するため、ヒト血管平滑筋細胞特異的DNAマイクロアレイを作製して、ブラジキニンにより発現が誘導される遺伝子群を同定した。
ブラジキニンは、血管平滑筋細胞の増殖を抑制した。この抑制作用は、ブラジキニンB2受容体拮抗薬により阻害されることから、B2受容体を介していることが示唆された。一方、マイクロアレイ解析により、ブラジキニンにより発現誘導される遺伝子群を同定した。この遺伝子発現誘導はB2受容体拮抗薬、選択的シクロオキシゲナーゼ2阻害薬により抑制された。現在、これらの遺伝子発現変化と、ブラジキニンによる血管平滑筋細胞増殖抑制作用との関連を検討している。
ブラジキニンによるB2受容体を介した血管平滑筋細胞増殖抑制作用は、アンジオテンシン変換酵素阻害薬の臓器保護作用、心血管疾患予後改善効果に密接に関与すると考えられる。


 

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