パッチクランプ法による視床下部ニュ-ロン温度受容機構の解析


研究課題名 パッチクランプ法による視床下部ニュ-ロン温度受容機構の解析
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 1988
研究期間 1988-1988
研究課題番号 63570079
研究代表者 小林 茂夫  (コバヤシ シゲオ) 京都大学・教養部・助教授
研究代表者番号 470640124797
研究機関 京都大学 研究機関番号:14301
研究分担者 高橋 智幸:京都大学・医学部・講師 (440240092415)
高橋 智幸:京都大学・医学部・講師 (440240092415)
研究種目 一般研究(C) 研究種目コード:090
研究分野[1] 環境生理学 研究分野コード:714
キーワード パッチクランプ / 温度受容ニュ-ロン / スライス / 視床下部
研究概要 当初、ラット視床下部を酵素処理して単離したニュ-ロンを用いてパッチクランプを行う予定であった。しかし温度受容ニュ-ロンにパッチクランプ記録を適用する方法を高橋が開発したため、新方法に変更した。新方法と結果を以下に述べる。ラット視束前野の中心線付近から厚さ100ミクロンの矢状断スライスを作り、鏡筒可動型ノマルスキ-顕微鏡ステ-ジ上の記録容器にスライスを固定した。シナプス入力を遮断するため、クレブス液のCaをMgで置換した低Ca液でスライスを灌流し、温度に直接的に反応するニュ-ロンだけを実験対象とした。顕微鏡(400倍)で直視し、ニュ-ロン(細胞体直径10ー15μm)周囲の結合織をクレブス液のジェット流により吹き飛ばし吸引により除去することで、細胞体表面を露出した。パッチクランプ電極(先端直径1〜2μm)を細胞体に近づけわずかな陰圧を加え電極先端と膜との間にゆるいシ-ルを形成すると、自発発火活動が細胞外から記録可能であった。25ー35℃の温度変化を加え、発火頻度の変化する温度受容ニュ-ロンを同定した。この実験では、温細胞の解析にしぼった。新たなパッチ電極と同定した温細胞との間に密着したシ-ルを形成した後、電極に加える陰圧を強め電極先端の細胞膜を破壊し、電極内と細胞内を交通させた。電流固定下の静止電位は、約-60mVであった。温度を25ー35℃に変え、膜電位固定下に静止電位から過分極側にステップ電位を加えて電流を記録することにより電流電圧直線を求めた。すると、温度上昇に伴って、膜コンダクタンスが上昇し、膜電位が上昇した。高温と低温で得た2つの電流電圧直線の交点の電位は、約-40mVであり、これは、温度に応じて変化するチャンネル(温度受容チャンネル)の平衡電位と考えられた。今後、外液のイオン組成を変えた時の平衡電位の変化から、温度受容チャンネルを通るイオン種を同定する実験を計画している。


 

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