温熱負荷時胸管リンパ流量に対する交感神経の寄与度


研究課題名 温熱負荷時胸管リンパ流量に対する交感神経の寄与度
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 1988
研究期間 1987-1988
研究課題番号 62570077
研究代表者 山田 誠二  (ヤマダ セイジ) 産業医科大学・医学部・助教授
研究代表者番号 480420094451
研究機関 産業医科大学 研究機関番号:37116
研究種目 一般研究(C) 研究種目コード:090
研究分野[1] 環境生理学 研究分野コード:714
キーワード 胸管リンパ流 / 骨格筋運動 / 自律神経活動 / ラット
研究概要 本年度は、温熱以外の胸管リンパ流量に影響を与える因子の検討を目的として、胸管リンパ流量に影響を与える骨格筋運動、自律神経活動の検討を行った。麻酔により骨格筋運動を消失させた場合や自律神経活動をブロックした場合の胸管リンパ流の変化を検討した。意識下のラットのリンパ流量は、4.0±2.0μl/min・100g body wtであったが、麻酔によって骨格筋の動きが止められると、1.6±0.6μl/min・100g body wtと60%有意(P<0.01)に減少した。麻酔薬として、自律神経の活動をブロックしないといわれているクロラロ-ズで麻酔したときには、2.4±1.2μl/min・100g body wtとなり、意識下に比べて、40%の減少であった。また、他の麻酔薬(バルビタ-ル、ハロセン、エーテル、ウレタン)に比較すると、リンパ流量が20%有意(P<0.02)に増加した。他の麻酔薬では、胸管リンパ流量には差がなかった。さらに、麻酔下でパンクロニウムブロマイドを使い、骨格筋の神経筋接合部をブロックし、完全に骨格筋の働きを抑えると、さらに、4%胸管リンパ流量が抑えられた。リンパ蛋白濃度は意識下で、29.4±4.9μg/μlであり、麻酔下では、少し濃縮される傾向があるが有意ではなかった。ただ、クロラロ-ズでは、24.3±6.4μg/μlであり、他の麻酔剤より希釈された状態であった。輸送タンパク量は、意識下では114.5±51.3μg/min・100g body wtで他の麻酔条件下のものに比べて、有意(P<0.01)に多量のタンパクが輸送されている。クロラロ-ズ麻酔下では、他の麻酔条件に比べて、リンパ流量は多いが、リンパタンパク濃度では希釈されているので、二つの積として求められる輸送タンパク量は、他の麻酔条件下の場合と相異なかった。以上より、骨格筋の収縮が胸管へのリンパ流、輸送タンパク量を決定する重要な因子であることが示唆された。
これらの結果は、Jpn.J.Physiol.38:729〜733、1988に掲載された。
発表文献 Seiji YAMADA: Jpn.J.Physiol. 38. 729-733 (1988)


 

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