| 研究課題名 | 性ホルモンによる脳の雌雄分化の過程に介在する分子機序 |
| レコードタイプ | 研究実績報告 |
| 報告年度 | 1988 |
| 研究期間 | 1987-1988 |
| 研究課題番号 | 62570071 |
| 研究代表者 | 佐久間 康夫 (サクマ ヤスオ) 弘前大学・医学部・教授 |
| 研究代表者番号 | 460370094307 |
| 研究機関 | 弘前大学 研究機関番号:11101 |
| 研究分担者 | 赤石 隆夫:新潟大学・医学部・講師 (502470018951) 赤石 隆夫:新潟大学・医学部・講師 (502470018951) |
| 研究種目 | 一般研究(C) 研究種目コード:090 |
| 研究分野[1] | 環境生理学 研究分野コード:714 |
| キーワード | 視床下部 / 神経成長因子 / 性分化 / 中脳中心灰白質 / 性行動 / エストロジェン / ロ-ド-シス / 腹内側核 |
| 研究概要 | ラットの脳は遺伝的には雌型に発育するようプログラムされており、雄では、胎生18日目より出生後5日の時期に精巣由来のテストステロンが作用すると行動、内分泌、自律神経調節などについて雄型の機能を持つ脳が誘導される。このことは、新生仔期の雌ラットにテストステロンを投与すると、成熟後の行動パタ-ンが雄型となり、雌型の生殖行動の主要な要素であるロ-ド-シス反射を示す能力が失われ、内分泌学的には性周期が消失して排卵が起こらなくなること、逆に雄ラット新生仔を出生当日に去勢すると、成熟後の内分泌処置により、雌と同等に振舞う動物が得られることから明らかである。本年度の研究では、生殖行動ならびに内分泌調節系の性差の成立において、テストステロンあるいは脳内におけるその芳香化によって生じたエストロジェンの作用を仲介すると考えられる蛋白分子を固定する目的で、先に効果を明らかにした抗神経成長因子抗血清に加えて、上皮組織成長因子、およびインシュリンに対する抗血清が性ホルモンによる脳の性分化におよぼす効果を調べた。思春期発来の時期、性周期と排卵、ならびにロ-ド-シス反射の有無を観察の対象とした。その結果、抗神経成長因子抗血清を投与した場合のみ性ホルモンによる脳の雄型化が阻止されることが示された。この機序については、1.視床下部腹内側核を中心とする性的に異なった生殖行動調節系の性分化が阻止されたため、2.前脳大脳皮質などの雌型の行動の抑制系の発達が障害された二次的効果といった二つの可能性が考えられる。抗神経成長因子抗体およびエストロジェン処置を行った群では、電気生理学的に視床下部腹内側核から中脳中心灰白質へ投射する系が雌型の特徴を備えていたこと、および脳組織標本にて大脳皮質-中隔野-内側視索前野と言った抑制系と考えられる領域のニュ-ロンに脱落や変性が認められなかったことから、前者が有力と結論した。 |
| 発表文献 | Sakuma,Yasuo: Journal of Neurophysiology. 57. 1148-1159 (1987) Sakuma,Yasuo: Brain Research. 407. 401-404 (1987) Yanase,Masahiro: Neuroscience Research. 6. 181-185 (1988) Akaishi,Takao: Experimental Neurology. 99. 247-258 (1988) Akaishi,Takao: Neuroscience Letters. 84. 57-62 (1988) Afaishi,Takao: Neuroscience Letters. 84. 57-62 (1988) Akaishi,Takao: Biomedical Research. 10. (1989) Akaishi,Takao: American Journal of Physiology. 佐久間康夫: 日本生理学雑誌. 50. 183-200 (1988) 佐久間康夫: 神経研究の進歩. 33. 31-37 (1989) 佐久間康夫: 代謝. (1989) 佐久間康夫: "神経と代謝調節" 朝倉書店、東京, 342-354 (1988) |