赤痢菌の上皮細胞感染におけるオートファジー阻害機構の解析


研究課題名 赤痢菌の上皮細胞感染におけるオートファジー阻害機構の解析
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 2005
研究期間 2004-2005
研究課題番号 16790253
研究代表者 小川 道永  (オガワ ミチナガ) 東京大学・医科学研究所・助手
研究代表者番号 80361624
研究機関 東京大学 研究機関番号:12601
研究種目 若手研究(B) 研究種目コード:260
研究分野[3] 細菌学(含真菌学) 研究分野コード:6911
キーワード 赤痢菌 / オートファジー / 阻害機構 / 認識機構
研究概要 本研究課題の研究成果より赤痢菌のiscB遺伝子欠損株(ΔicsB)は上皮細胞に侵入後オートファゴソームによる貪食を高頻度に受けることが明らかになった。さらに、オートファゴソームの「種(たね)」であるGFP-Atg5を発現させたBHK細胞にΔicsBを感染させたところ、菌体の一極へのAtg5の局在が観察されたことから、赤痢菌の一極に局在することが報告されているVirGとAtg5の結合性の解析を行った。その結果、VirGとAtg5の結合が認められ、さらにIcsBがVirGとAtg5の結合を競合的に阻害することが明らかになった。VirGによるオートファジー誘導能を検討するために、virG遺伝子変異株(ΔvirG)をMDCK細胞に感染させた結果ΔvirGではオートファジーが完全に抑制されることが明らかになった。これらの結果から、赤痢菌感染において観察されるオートファジーは赤痢菌の細胞内でのアクチンコメットの形成に必須であるVirGが宿主細胞のオートファジーに必須のタンパク質であるAtg5により認識されることにより誘導され、これはIcsBによって競合的に阻害されることが明らかになった。これらの研究成果をふまえAtg5に結合する宿主タンパク質の検索をyeast two-hybrid法により行った結果、Atg5と相互作用する5種類の候補タンパク質を得た。各々の候補タンパク質についてin vitroおよびin vivoでのAtg5との結合性、および赤痢菌感染によって観察されるオートファゴソームとの局在性の検討をおこなった。その結果4種類の候補タンパク質がin vitroにおいてAtg5と結合性を示し、最終的に1種類の候補タンパク質(AfpIと命名)が赤痢菌感染時に観察されるオートファゴソームと共局在することが明らかになった。
発表文献 小川道永:   "Escape of Intracellular Shigella from Autophagy"  Science 307.  727-731  (2005)  
小川道永:   "intracellular survival of Shigella"  Cellular Microbiology 8.  177-184  (2006)  
小川道永:   "Bacterial evasion of the autophagic defence system"  Current opinion in Microbiology 9.  62-68  (2006)  
小川道永:   "オートファジーと細菌感染"  実験医学 23(17).  100-108  (2005)  
石原朋子:   "Shigella Spa33 is an essential C-ring component of the type III secretion machinery"  The Journal of Biological Chemistry 281.  599-607  (2006)  
大屋賢司:   "IpgB1 is a novel Shigella effector protein involved in bacterial invasion of host cells : ITS ACTIVITY TO PROMOTE MEMBRANE RUFFLING VIA RAC1 AND CDC42 ACTIVATION."  The Journal of Biological Chemistry 280.  24022-24034  (2005)  


 

Copyright 2007 All Rights Reserved ja-tec.com