緑膿菌多剤排出ポンプの発現機構の解明とその制御


研究課題名 緑膿菌多剤排出ポンプの発現機構の解明とその制御
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 2005
研究期間 2004-2005
研究課題番号 16790251
研究代表者 間世田 英明  (マセダ ヒデアキ) 筑波大学・大学院・生命環境科学研究科・助手
研究代表者番号 10372343
研究機関 筑波大学 研究機関番号:12102
研究種目 若手研究(B) 研究種目コード:260
研究分野[3] 細菌学(含真菌学) 研究分野コード:6911
キーワード 緑膿菌 / 多剤耐性 / 抗生物質 / MexAB-OprMポンプ / Quorum-sensing
研究概要 前年度の研究で、緑膿菌の薬剤排出ポンプMexAB-OprMが、Quorum-sensingによる制御を受けていることを明らかにした。つまり、緑膿菌感染症の難治化の主原因である多剤耐性をQuorum-sensingの制御で行えることを示した。その一方でMexAB-OprMポンプは、Quorum-sensingの起動剤であるオートインデューサーの排出を行っている。ということは、逆にMexAB-OprMの発現調節を行うことは、毒性の変化や緑膿菌感染症のもう一つの問題点であるBiofilmの熟成に変化を与えることが可能であると考えられる。そこで、MexAB-OprMの発現とバイオフィルムの形成との関係について明らかにすることとした。まず、Biofilmのflowcell系での作成法を確立し、バイオフィルムの作製を顕微鏡観察できるよう、蛍光タンパク質のGFPを緑膿菌に導入し、その発現に成功し、最も効率的にバイオフィルムの観察が行える最適発現条件を設定した。次に、mexAB-OprM遺伝子を人為的に破壊し、その株を用いて、Biofilmの熟成の経過を検討した。その結果、炭素源としてクエン酸ナトリウムを用いた場合、野生株では緑膿菌でよく観察されるマッシュルーム状のバイオフィルムが観察されたが、MexAB-oprMを破壊した変異株ではそのような構造体を形成しないばかりか、バイオフィルム自体の厚さが野生株と比較して薄くなることを明らかにした。更に、バイオフィルムの強度を界面活性剤の一種であるSDSでの剥離時間で計測したところ、野生株では1時間の試験でも剥離されなかったのに対し、変異株では5分も経過しない内に剥離することを明らかにした。このことから、MexAB-OprMポンプは、バイオフィルムの形成とその付着強度に強く関わっていることを世界で初めて突き止めることができた。
発表文献 Shima Eda, Hideaki Maseda, Eisaku Yoshihara, Taiji Nakae:   "Assignment of the outer-membrane-subunit-selective domain of the membrane fusion protein in the tripartite xenobiotic efflux pump of Pseudomonas aeruginosa"  FEMS Microbiological Letters 254・1.  101-107  (2006)  
Kunihiro Okano, Hideaki Maseda, Kazutoshi Sugita, Takeshi Saitou, Motoo Utsumi, Takaaki Maekawa:   "Biochemical characteristics of microcystin LR degradation by typical protease"  Japanese Journal of Water Treatment Biology 42・1.  27-35  (2006)  
Hideo Kobayashi, Asaomi Kuwae, Hideaki Maseda, Akira Nakamura, Takayuki Hoshino:   "Isolation of a low-molecular-weight, multicopy plasmid, pNHK101 from Thermus sp. TK10 and its use as an expression vector for T.thermophilus HB27"  Plasmid 54・1.  70-79  (2005)  


 

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