正常型プリオン蛋白質を介した細胞内寄生菌のマクロファージ内侵入および増殖機構


研究課題名 正常型プリオン蛋白質を介した細胞内寄生菌のマクロファージ内侵入および増殖機構
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 2005
研究期間 2004-2005
研究課題番号 16790250
研究代表者 度会 雅久  (ワタライ マサヒサ) 帯広畜産大学・畜産学部・助教授
研究代表者番号 40312441
研究機関 帯広畜産大学 研究機関番号:10105
研究種目 若手研究(B) 研究種目コード:260
研究分野[3] 細菌学(含真菌学) 研究分野コード:6911
キーワード ブルセラ症 / マクロファージ / スカベンジャーレセプター / 細胞内寄生菌 / LPS
研究概要 細胞内寄生菌はファゴソームとリソソームの融合を阻止することによってマクロファージ内で増殖するものと考えられている。このメカニズムは未だ不明な点が多いが、申請者のこれまでのブルセラ菌を用いた実験により、菌の細胞侵入時におけるマクロファージ表層に存在する分子の選別が重要であることが示された。ブルセラ菌を含むファゴソームにはリピドラフトの構成分子が集積し、膜貫通型蛋白質が排除される。我々の研究と同時期に細菌以外のウイルス、原虫の感染にもリピドラフトの関与が示唆されている。そこで本研究ではリピドラフトが微生物感染におけるゲートウェイとしての機能を持つという仮説を立て、これを実験的に立証し、そこから得られた成果を基盤にした新たな感染防御法の構築を模索した。具体的には、ブルセラ菌の産生する病原因子が宿主細胞に及ぼす作用を解析し、菌のマクロファージ内増殖のメカニズムの解明を試みた。ブルセラ属菌に対するマクロファージ上のレセプターはいくつか存在すると考えられる。本研究ではSR-AがB.abortusのLPSに対するレセプターとしての役割を持つことが示された。また、B.abortusのLPSはネズミチフス菌のLPSと抗原性は異なるが、SR-Aとの結合様式に関しては類似性が認められた。SR-Aを介した細胞内シグナル伝達機構は不明な点が多い。膜貫通型蛋白質として知られるSR-Aが菌の感染時にリピドラフト中に集積することから、細胞内へのシグナル伝達に何らかの役割を持つことが推測される。virB4変異株の感染では、リピドラフトにおけるSR-Aの集積が認められないことから、LPS以外の細菌側因子がSR-Aのリピドラフトへの集積に何らかの関係があると考えられた。これらのことから、細菌側の病原因子がSR-Aのリピドラフトへの集積を促進し、SR-Aを介したシグナル伝達が菌の細胞侵入および細胞内増殖に重要な役割を果たしていることが示唆された。
発表文献 Kim, S., Watanabe, K., Suzuki, H., Watarai, M.:   "Roles of Brucella abortus Spo T in morphological differentiation and intramacrophagic replication."  Microbiology 151・5.  1067-1617  (2005)  
Kim, S., Lee, D.S., Watanabe, K., Furuoka, H., Suzuki, H., Watarai, M.:   "Interferon-γ promotes abortion due to Brucella infection in pregnant mice."  BMC Microbiol. 5・1.  22  (2005)  


 

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