リソゾ-ム形成における膜識別と融合に関する研究


研究課題名 リソゾ-ム形成における膜識別と融合に関する研究
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 1990
研究期間 1989-1990
研究課題番号 01480493
研究代表者 加藤 敬太郎  (カトウ ケイタロウ) 九州大学・薬学部・教授
研究代表者番号 281970037571
研究機関 九州大学 研究機関番号:17102
研究分担者 姫野 勝(ヒメノ マサル):九州大学・薬学部・助教授 (410650037602)
研究種目 一般研究(B) 研究種目コード:080
研究分野[1] 生物系薬学 研究分野コード:773
キーワード リソゾ-ム膜タンパク質 / 酸性フォスファタ-ゼ / Mー6ーP受容体 / 膜融合 / リソゾ-ム / cDNAクロ-ニング / エンドゾ-ム / 形質膜
研究概要 リソソ-ム膜糖タンパク質である酸性フォスファタ-ゼが可溶性リソソ-ム加水分解酵素と異なり、Mー6ーPの受容体に依存しない異なった機構でリソソ-ムへ移行することを明らかにした。そこでリソソ-ム膜糖タンパク質が選別輸送されるためのsorting signalはタンパク質部分にあると考えて、本年度は、リソソ-ム膜に局在する、分子量85Kのシアロ糖タンパク質(LGP85)のcDNAのクロ-ニングを行った。
単離したLGP85のcDNAは2065個のヌクレオチドから成り、478個のアミノ酸(Mr54,090)をコ-ドする翻訳領域と11ケ所の糖鎖結合部位を有していた。N末端のアミノ酸シ-クエンスは読み始めのメチオニンのみを消失しているだけでシグナルシ-クエンスは切断されずに保持されていた。また、二ケ所に高い疎水性部位が観察され、N末端(アミノ酸残基4ー26)側とC末端(アミノ酸残基433ー458)に存在していた。二ケ所の膜アンカ-部位を有するリソソ-ム膜糖タンパク質についての報告は現在までなく、NおよびC末端側の膜アンカ-部分は何れも前述のリソソ-ム膜糖タンパク質のそれとの相同性は観察されなかった。LGP85は非常にユニ-クなリソソ-ム膜糖タンパク質である事が明らかになった。
リソソ-ムの形成には、エンドソ-ム、autophagic vacuole,およびゴルジ複合体に由来する輸送小胞が関与している。リソソ-ムが機能するためには、二次リソソ-ムと上記オルガネラとの融合が必須である。そこで、Ehrenreichらの方法でゴルジ-エンドソ-ム画分を調整し、精製エンドソ-ム間の融合を検討した。精製エンドソ-ム間の融合に要求されるファクタ-と粗エンドソ-ム間の融合に必要とされるファクタ-の相違は観察されなかった。しかし、オ-トリソソ-ムと精製エンドソ-ムとの融合に於いては、ATP存在下と非存在下での融合率はほぼ同じであった事はエンドソ-ム間の融合条件とは著しく異なっていた。
発表文献 MASARU HIMENO: "ACID PHOSPHATASE IN RAT LIVER LYSOSOMAL MEMBRANESM:PPURIFICATION AND CHARACTERIZATION." J.BIOCHEM.105. 449-456 (1989)
SADAKI YOKOTA: "IMMUNOCYTOCHEMICAL LOCALIZATION OF ACID PHOSPHATASE IN RAT LIVER." CELL STRUCT.FUNCT.14. 163-171 (1989)
YOSHITAKA TANAKA: "TRANSPORT OF ACID PHOSPHATASE TO LYSOSOMES DOES NOT INVOLVE PASSAGE THROUGH THE CELL SURFACE." BIOCHEM.BIOPHYS.RES.COMMUN.166. 717-722 (1990)
YOSHITAKA TANAKA: "BIOSYNTHESIS,PROCESSING,AND INTRACELLULAR TRANSPORT OF LYSOSOMAL ACID PHOSPHATASE IN RAT HEPATOCYTES." J.BIOCHEM.108. 278-286 (1990)
YASHITAKA TANAKA: "RELEASE OF ACID PHOSPHATASE FROM LYSOSOMAL MEMBRANES BY CATHEPSIN D." J.BIOCHEM.108. 287-291 (1990)
KOJI FURUNO: "IMMUNOCYTOCHEMICAL STUDY OF THE SURROUNDING ENVELOPE OF AUTOPHAGIC VACUOLES IN CULTURED RAT HEPATOCYTES." EXP.CELL RES.189. 261-268 (1990)


 

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