内存性アルデヒド類による生体成分の化学修飾とその生物学的意義


研究課題名 内存性アルデヒド類による生体成分の化学修飾とその生物学的意義
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 1991
研究期間 1990-1991
研究課題番号 02671008
研究代表者 高橋 和彦  (タカハシ カズヒコ) 名古屋市立大学・薬学部・助手
研究代表者番号 512640117833
研究機関 名古屋市立大学 研究機関番号:23903
研究種目 一般研究(C) 研究種目コード:090
研究分野[1] 生物系薬学 研究分野コード:773
キーワード アルデヒド / ホルムアルデヒド / DNA修復 / 変異原性 / 遺伝子発現 / 金属
研究概要 アルデヒド類は求電子反応性を有し、生理的条件下で生体成分を化学修飾する。本研究では、生体中で生成するアルデヒド類が蛋白質などの生体成分を化学修飾することにより、DNA修復酵素の遺伝子群の発現にどのような影響を及ぼすかを検討し、その分子機構を明らかにすることを目的として行った。本年度は、活性酸素、あるいは、熱によって誘導される遺伝子の発現に対するアルデヒド類の影響を検討した。先ず、過酸化水素により誘導され、過酸化水素の消去に関与しているkatG遺伝子の発現に対する影響を検討するために、遺伝子発現の検出法について検討を行った。katG遺伝子の発現はoxyR遺伝子産物によって制御されることが知られているが、katG遺伝子の発現は短時間に起こり、また、大腸菌の培養条件によって発現量が著しく変動する。このために、現在のところアルデヒド類の影響を検討するための満足できる実験系を確立するに至っていない。活性酸素によって発現される遺伝子には、このほかsoxR遺伝子産物によって異なった機構で制御される遺伝子群があり、これらの遺伝子群の発現に対する影響を検討する必要があると考えられる。金属イオンの毒性発現には活性酸素が関与していることが最近明らかとなり、金属イオンによる遺伝子発現に対する影響を検討することも重要な課題であると考えられる。ところが、カドミウム、水銀、銅などの金属イオンは、DNA修復酵素の1つであるO^6ーmethylg uanineーDNA methyltransferaseをコ-ドするada遺伝子の転写を阻害する。これらの金属は、金属自体がada遺伝子の転写促進因子に配位することによりada遺伝子の転写を阻害することが明らかとなった。
発表文献 高橋 和彦: "Inhibitory effect of cadmium and mercury ions on induction of the adaptive response in Escherichia coli;" Mutation Research. 254. 45-53 (1991)
太田 裕子: "Some cytotoxicological aspects of ethyl and fluoroethyl alkanesulfonates in Escherichia coli;role of fluorine substitution;" Chemical & Pharmaceutical Bulletin. 39. 1510-1512 (1991)
鈴木 任: "Inhibitory effect of cadmium and mercury ions on transcription of the ada gene;" Biochemical and Biophysical Research Communications. 179. 1517-1521 (1991)
高橋 和彦: "Effect of metal ions on transcription of the ada gene which encodes O^6ーmethylguanineーDNA methyltransferase of Escherichia coli;" Biological & Pharmaceutical Bulletin.
高橋 和彦: "続医薬品の開発(第11巻)医薬品の変異原性・遺伝毒性" 廣川書店, 24 (1991)


 

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