マクロファ-ジ由来泡沫細胞の形成阻止:新規抗動脈硬化薬開発への応用


研究課題名 マクロファ-ジ由来泡沫細胞の形成阻止:新規抗動脈硬化薬開発への応用
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 1992
研究期間 1990-1992
研究課題番号 02557094
研究代表者 大村 智  (オオムラ サトシ) 北里研究所・所長
研究代表者番号 351290050426
研究機関 (社)北里研究所 研究機関番号:72603
研究分担者 供田 洋(トモダ ヒロシ):北里研究所・生物機能研究所・室長 (550670164043)
工藤 一郎(クドウ イチロウ):東京大学・薬学部・助教授 (490730134612)
新井 洋由(アライ ヒロユキ):東京大学・薬学部・助手 (551740167987)
研究種目 試験研究(B) 研究種目コード:122
研究分野[1] 生物系薬学 研究分野コード:773
キーワード マクロファ-ジ / 泡沫化 / ACAT阻害剤 / グリソプレニン / ピリピロペン / ステロイド系阻害剤
研究概要 北里グル-プでは、マクロファ-ジ泡沫化に関与するアシルCoAコレステロ-ルアシル転移酵素(ACAT)の阻害剤としてカビ代謝産物中より、パ-パクチン、シクロデプシペプチド、グリソプレニン、ピリピロペン及ビFO-2546など新しい骨格を有する化合物を発見できた。特に、ピリピロペンのACAT阻害活性はnMレベルであり、現在まで知られる天然由来ACAT阻害剤の中で最も強力であった。その構造は、コレステロ-ルと類似しておりコレステロ-ルと拮抗すると予想している。さらにハムスタ-を用いた腸管からのコレステロ-ル吸収阻害活性も認められたことから、他のin vivo系でも評価すべきと考えている。また、ピリピロペンをリ-ド化合物とした誘導体合成への発展も期待される。
一方、東大グル-プは、これまでの研究からマクロファ-ジの泡沫化がアゾ-ル系抗真菌剤(ケトコナゾ-ル、エコナゾ-ル等)、およびある種のステロ-ル誘導体により特異的に阻害される事を見いだした。特に、ステロ-ル骨格のC17位あるいはC21位にケト基を持つステロイドが、取り込んだコレステロ-ルのリソゾ-ムから小胞体への輸送を特異的に阻害する事実を見いだした。さらにこれらステロイド系阻害剤の作用が可逆的であることがわかり、コレステロ-ルのリソゾ-ムからの輸送系を選択的に調べるアッセイ系を作製する事に成功した。この系を用いることにより、コレステロ-ルのリソゾ-ムからの輸送には、リソゾ-ム内の低pHが必須であることが明らかとなった。ステロイド系阻害剤は、恐らくリソゾ-ム膜に存在するプロトンの濃度勾配を利用したコレステロ-ル輸送システムに作用するものと考えられた。
発表文献 供田 洋ら: "Glisoprenin,new in hibitors of ACAT produced by Gliocladium sp.FO.1513.I.Production,isolation and physico-chemical and biological properties." J.Antibiot.45. 1202-1206 (1992)
供田 洋ら: "New cyclodepsipeptides,enniatins D.E and F produced by Fusarium SP.FO-1305" J.Antibiot.45. 1207-1215 (1992)
供田 洋ら: "Inhibition of ACAT activity by cyclodepsipeptide antibiotics." J.Antibiot.45. 1626-1632 (1992)
西田 博之ら: "Glisoprenin,new inhibitors of ACAT II.Structure elucidation of qlisoprenins A and B" J.Antibiot.45. 1669-1676 (1992)
大村 智ら: "Pyripyropenes,highly potent in hibitors of ACAT produced by Aspergillus fumigatus" J.Antibiot. 46. (1993)


 

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