ヒト胎児肝に特異的に存在するグルタチオンS-トランスフェラ-ゼに関する研究


研究課題名 ヒト胎児肝に特異的に存在するグルタチオンS-トランスフェラ-ゼに関する研究
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 1989
研究期間 1989-1989
研究課題番号 01571191
研究代表者 北田 光一  (キタダ ミツカズ) 北海道大学・薬学部・助教授
研究代表者番号 471790110345
研究機関 北海道大学 研究機関番号:10101
研究分担者 鎌滝 哲也(カマタキ テツヤ):北海道大学・薬学部・教授 (420600009177)
小森 雅之(コモリ マサユキ):北海道大学・薬学部・助手 (571840183347)
大井 浩明(オオイ ヒロアキ):北海道大学・薬学部・助手 (601860194065)
研究種目 一般研究(C) 研究種目コード:090
研究分野[1] 生物系薬学 研究分野コード:773
キーワード ヒト胎児肝 / グルタチオンS-トランスフェラ-ゼ / グルタチオン
研究概要 ヒト胎児肝細胞質に存在する酸性グルタチオンS-トランスファラ-ゼ(酸性GST)分子種の精製およびその性質の検討を重点的に行ない以下の結果を得た。
1.両親の承諾を得て北海道大学医学部病理学教室および川鉄病院から提供された胎児肝を用いた。ヘキシルグルタテチオンカラムクロマトグラフィ-とFPLCによるクロマトフォ-カシングまたはMonoSカラムクロマトグラフィ-を組み合わせることにより再現性よく電気泳動的に均一な標品を得ることに成功した。
2.精製した酸性GSTの見かけの等電点は4.8-4.9であり、その単量体の分子量は23,000と算出された。
3.クロルジニトロベンゼン(CDNB)またはエタクリン酸を基質とした際の胎児肝細胞質GST活性に対する抗体の影響から、本酵素は両基質のGSH抱合反応に関与する主たる酵素であることが推察された。
4.酸性GSTに対する抗体を作製し、胎児肝の存在量を免疫定量した結果、その存在量は2.5-4.0μg/g肝(n=4)と算出された。一方、成人肝細胞質(n=7)にはほとんど存在しなかった。
5.精製標品はジクロルニトロベンゼン、CDNB、エタクリン酸等を基質とした。
6.ヒト胎盤およびラット胎盤由来のGST分子種の抗体は共に本精製酵素を認識したが、ラット肝由来の分子種であるGST(1-1)、(2-2)、(3-3)および(4-4)の抗体は交叉反応を示さなかった。
7.本GST分子種のN-端末アミノ酸配列は20残基までの判明した範囲内でヒト胎盤由来のGSTのそれと一致した。以上の結果より、本研究で精製したヒト胎児肝の酸性GST分子種はPiクラスに分類されるものと考えられた。ヒト胎盤由来のGST分子種との相異については結論が得られなかったが、すでにヒト胎児肝酸性GSTのcDNAクロ-ニングを開始しており、現在その構造を解析中である。また、本分子種が発癌時に発現するか否かについても検討中である。
発表文献 M.KITADA,T.SHIMADA.M.KASHIWADA,K.ITAHASHI,K.SATO AND T.KAMATAKI: "PURIFICATION AND CHARACTERIZATION OF ACIDIC FORMS OF GLUTATHIONE S-TRANSFERASE IN HUMAN FETAL LIVERS"


 

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