細胞内情報伝達におけるレセプターミミック化合物の創製


研究課題名 細胞内情報伝達におけるレセプターミミック化合物の創製
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 2003
研究期間 2001-2003
研究課題番号 01J06406
研究代表者 どど 孝介  (ドド,コウスケ) 東北大学・大学院・工学研究科・特別研究員(DC1)
研究機関 東北大学 研究機関番号:11301
研究種目 特別研究員奨励費 研究種目コード:500
審査区分 国内 区分コード:21
研究分野[2] 医薬分子機能学 研究分野コード:684
キーワード 細胞死 / ミトコンドリア / アフィニティーゲル
研究概要 受容体(レセプター)は細胞膜という特殊な環境を足場として種々の蛋白と相互作用し、細胞内情報伝達のスタート地点として働く。このような生命現象をミミックするものとして、生体膜上での小分子と蛋白の相互作用の制御に着目することとした。当研究室ではすでにミトコンドリアに局在し、細胞死を抑制する化合物ビスインドリルピロール誘導体の開発に成功している。そこで、本研究ではこの化合物がミトコンドリア膜上で、どのような蛋白と相互作用するかを明らかとすることで、いまだ未解明な部分の多いミトコンドリアにおける細胞死制御機構の解明を狙う。
まず前年度で、化合物を担持したアフィニティーゲルを用いて精製することに成功したターゲット候補の蛋白同定を行った。蛋白同定にあたっては、質量分析装置を用いたペプチドマスフィンガープリンティングの手法の確立を行い、これにより主な結合蛋白としてATP synthaseおよびVoltage-Dependent Anion Channel 1 (VDAC1)の2つの膜蛋白を同定することに成功した。さらに、これら2種類の蛋白のうち細胞死抑制作用に関与するターゲットを決定すべくアフィニティーゲルに担持する化合物の構造を変え、それぞれの蛋白に対する結合能と細胞死抑制活性を比較し、細胞死抑制活性に重要なターゲットがVDAC1であることを明らかにした。また、ATP synthaseに対する結合が毒性につながることもわかった。
さらに、VDAC1を介してどのように細胞死抑制活性を発現しているかを明らかにするため、VDAC1に選択的で毒性のない誘導体を得るべく、活性が弱いながらもATP synthaseに結合しない誘導体をもとに構造展開を行った。その結果、VDAC1に対して強い結合能を持ち、かつ毒性のない誘導体を得ることに成功した。
現在この新規誘導体を鍵としてVDAC1を介した細胞死抑制作用のメカニズム解明を進行中である。


 

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