魚類を用いた嗅覚情報処理および記憶機構の研究


研究課題名 魚類を用いた嗅覚情報処理および記憶機構の研究
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 1995
研究期間 1995-1995
研究課題番号 07772148
研究代表者 庄司 隆行  (ショウジ タカユキ) 北海道大学・薬学部・教務職員
研究代表者番号 00241349
研究機関 北海道大学 研究機関番号:10101
研究種目 奨励研究(A) 研究種目コード:210
研究分野[2] 生物系薬学 研究分野コード:683
キーワード 嗅覚 / 記憶 / 魚類 / 母川回帰
研究概要 平成7年度科学研究費補助金によって行った研究の成果は以下の通りである。
(1)ニジマスc-fos cDNAのクロ-ニング
嗅覚情報の伝達経路やニオイ記憶の形成部位の特定を目的とし、市販されている抗Fos抗体(ヒト、ラッマウス用)を魚類(ニジマス、ゼブラフィッシュ)に適用したところ交差反応しなかったため、新たにニスc-fosのRT-PCR法を用いたクロ-ニングを行なった。Fosにはロイシンジッパ-およびジンクフィンガ-列があり、これらのモチ-フは各動物種間で保存性の高い。そこで、このモチ-フ上で特に保存性が高いを利用し縮重プライマ-を作成した。カイニン酸投与によりc-fosが発現していると考えられる脳からRNA抽出し、これをもとにRT-PCRを行った。シ-クエンスの結果、ニジマスFosをコ-ドしていると思われ種のcDNA断片の配列が明らかになった。
現在まで魚類のc-fos遺伝子配列の報告は全く無いので、本実験が最初の試みであると思われる。今後はらかになった配列を利用して嗅覚情報の伝達経路、ニオイ記憶の形成部位の特定を行う予定である。
(2)ヒメマス嗅覚器の各種河川水の識別と溶存物質
サケ科魚類は生まれた河川のニオイを記憶し、その記憶をたよりに母川を識別して回帰、産卵すると考れている。この記憶はいわゆる刷り込みによって形成される、いわば単純化されたニオイ記憶機構によるである。したがって、この系はニオイ情報の処理・記憶機構を解明する良いモデルとなり得る。本研究で爺湖産ヒメマスを用い、各流入河川に回帰するヒメマスが河川水中に含まれるどのような成分を受容し河識別しているのかを交差順応法を用いた嗅神経応答の測定により調べた。その結果、河川水中には各河川に異なる種類と濃度のアミノ酸が含まれており、ヒメマス嗅覚器はこのアミノ酸組成の違いから河川を識ている可能性が示された。したがって、今後はアミノ酸の受容にしぼって情報伝達・記憶機構を明らかに予定である。


 

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