脳内転写制御因子のシグナル応答性に関する研究


研究課題名 脳内転写制御因子のシグナル応答性に関する研究
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 1995
研究期間 1995-1995
研究課題番号 07672401
研究代表者 米田 幸雄  (ヨネダ ユキオ) 摂南大学・薬学部・助教授
研究代表者番号 50094454
研究機関 摂南大学 研究機関番号:34428
研究分担者 荻田 善代一(オギタ キヨカズ):摂南大学・薬学部・助手 (90169219)
研究種目 一般研究(C) 研究種目コード:090
研究分野[2] 生物系薬学 研究分野コード:683
キーワード グルタメイトシグナル / コア塩基配列 / 転写制御因子 / ロイシンジッパ- / AP-1 / C-Fos蛋白質 / イムノブロッティング / ゲルシフトッセイ
研究概要 コア塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプロ-ブを用いたゲルシフト法の結果から、activator protein-1(AP1)などのロイシンジッパ-型だけでなく、ヘリックス・タ-ン・ヘリックス型や亜鉛フィンガ-型など、異なる蛋白質構造を有する転写制御因子群が、マウス全脳細胞核抽出液中に存在することが明かとなった。イオノトロピック型グルタメイト(Glu)レセプタ-アゴニストの一つであるN-methyl-D-aspartic acid(NMDA)をマウス腹腔内に投与すると、投与後2時間の時点で海馬のAP1プロ-ブ結合能が6倍以上に上昇したが、他の脳内部位のAP1結合能やあるいは他の転写制御因子DNA結合能には著変は見られなかった。他のGluレセプタ-アゴニストであるkainic acid(KA)も同様に選択的な海馬AP1結合能上昇を誘発したが、NMDAの場合には海馬AP1結合能上昇が一過性であるのに対して、KAの場合は少なくとも投与24時間後でも著明なAP1結合能上昇が観察された。イムノブロッティング法を利用してAP1構成蛋白質について同様の解析を行ったところ、NMDA投与およびKA投与はいずれも海馬にc-Jun蛋白質を強く発現させることが明かとなった。さらに、両アゴニストともに海馬にc-Fos蛋白質を強く発現させたが、KA投与の場合はAP1結合能上昇とc-Fos蛋白質発現とは高い相関性を示したのに対して、NMDA投与の場合は投与2時間後ではAP1結合能上昇が見られるにもかかわらず、c-Fos蛋白質の発現は極めて小量しか認められなかった。また、KA投与の場合にはc-Fos蛋白質の分子量以外の位置に抗体陽性蛋白質の強い発現が観察された。以上の結果より、海馬のAP1はGluシグナルに対して強い応答性を示すが、そのシグナリングメカニズムはレセプタ-サブタイプにより異なるものと推察される。Gluシグナリングは、レセプタ-サブタイプの種類に対応した特定の転写制御因子の誘導メカニズムを通じて、中枢神経系構築細胞に長期的な機能変動を招来する可能性が示唆される。


 

Copyright 2007 All Rights Reserved ja-tec.com