| 研究課題名 | 脳機能における生体必須微量金属の役割 |
| レコードタイプ | 研究実績報告 |
| 報告年度 | 1996 |
| 研究期間 | 1995-1996 |
| 研究課題番号 | 07672369 |
| 研究代表者 | 武田 厚司 (タケダ アツシ) 静岡県立大学・薬学部・講師 |
| 研究代表者番号 | 90145714 |
| 研究機関 | 静岡県立大学 研究機関番号:23803 |
| 研究分担者 | 岡田 昌二(オカダ ショウジ):静岡県立大学・薬学部・教授 (40046256) |
| 研究種目 | 基盤研究(C) 研究種目コード:320 |
| 審査区分 | 一般 区分コード:03 |
| 研究分野[2] | 生物系薬学 研究分野コード:683 |
| キーワード | 脳 / 必須微量金属 / 亜鉛 / マンガン / 軸索輸送 / 嗅覚 / ニュ-ロモジュレ-タ- |
| 研究概要 | 脳内で亜鉛が滞留する領域が海馬に加え大脳皮質の扁桃核、梨状皮質、鼻周囲皮質といった記憶と関連する領域であることをこれまでに見いだした。これらの領域がZn-containing neuron(シナプス小胞に亜鉛を含むニュ-ロン)を高濃度に含むことから、亜鉛はニュ-ロモジュレ-タ-として記憶に関与しているものと考えられる。さらに、亜鉛の滞留部位が嗅覚中枢であったことから、嗅覚路における亜鉛輸送を調べたところ、亜鉛は嗅覚路に沿って輸送されることが明らかになり、嗅覚路においてZn-containing neuronが存在することが示唆された。亜鉛が嗅覚の伝達に対してニュ-ロモジュレ-タ-として働くことを調べるため、嫌悪臭を学習したラットを用いて、扁桃核の細胞外液中の亜鉛をキレ-タ-で隠蔽したところ、嗅覚能は一時的に低下し、亜鉛が嗅覚の伝達に関与していることが考えられた。一方、Zn-containing neuronは、グルタミン酸作動性のニュ-ロンの一部と推定されていたが、大脳基底核における亜鉛輸送から、線条体-黒質系、淡蒼球-黒質系等のGABA(γ-アミノ酪酸)作動性ニュ-ロンがZn-containing neuronであることを示唆した。すなわち、亜鉛は興奮性ニュ-ロンに加えて抑制性ニュ-ロンにもモジュレ-タ-として含まれていると考えられることから、脳内で幅広く情報伝達に関与しているものと考えられる。一方、マンガンについても同様に脳内輸送を検討したところ、マンガンはニュ-ロン内で軸索輸送されるとともに、ニュ-ロン終末より、シナプス間隙に放出されることが示唆された。 |
| 発表文献 | Jinko Sawashita et al.: "Brain distribution of zinc and monganese and their biological half-lives in rat" Jpn. J. Toxicol. Environ. Health (衛生化学). 42. 19- (1996) 澤下仁子 他: "ラット脳内における亜鉛とマンガンの動態:生物学的半減期及び嗅覚機能との関連性" Biomed. Res. Trace Elements. 7. 173-174 (1996) 加治正行 他: "当院における妊婦・新生児の血清および母乳中の亜鉛・銅濃度に関する検討" Biomed. Res. Trace Elements. 7. 187-188 (1996) Atsushi Takeda et al.: "Manganese transport in blood-cerebrospinal fluid barrier and its inracerebral transport" Jpn. J. Toxicol. Environ. Health(衛生化学). 43. 28- (1997) |