創傷治癒における肝細胞増殖因子(HGF)の役割


研究課題名 創傷治癒における肝細胞増殖因子(HGF)の役割
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 1996
研究期間 1995-1996
研究課題番号 07672359
研究代表者 合田 榮一  (ゴウダ エイイチ) 岡山大学・薬学部・助教授
研究代表者番号 20028814
研究機関 岡山大学 研究機関番号:15301
研究種目 基盤研究(C) 研究種目コード:320
審査区分 一般 区分コード:03
研究分野[2] 生物系薬学 研究分野コード:683
キーワード 肝細胞増殖因子(HGF) / 血小板由来増殖因子(PDGF) / ヒト皮膚線維芽細胞 / 創傷治癒 / 遺伝子発現
研究概要 創傷治癒には血小板由来増殖因子(PDGF)が大きな役割を果たすと考えられている。培養細胞に対して主として間葉系細胞の増殖をさせる働きをもつPDGFを創傷局部に投与すると、線維芽細胞が多い真皮のみならず、PDGFが直接作用しないとされる表皮の治癒も著しく促進される。本研究では、このようなPDGFの創傷修復作用に表皮ケラチノサイトの増殖促進効果を有する肝細胞増殖因子(HGF)産生の促進が関与するか否かについて、培養ヒト皮膚線維芽細胞を用いて調べた。ヒト皮膚線維芽細胞からのHGF産生はPDGFにより強く促進された。PDGFは同細胞の増殖も著しく促進したが、細胞タンパク質当たりのHGF産生量で表しても顕著な増加が認められた。PDGFの本促進作用は1ng/mlより認められ、10ng/mlで対照群の約6倍の最大値に達した。この作用は上皮増殖因子(EGF)よりは弱いものの、酸性及び塩基性線維芽細胞増殖因子(aFGF,bFGF)の作用よりは強かった。HGF産生の増加はPDGF添加後24時間で認められたが、72時間でより顕著になった。一方、同線維芽細胞のHGF遺伝子発現もPDGF処理後9時間で上昇し、以後60時間まで徐々に増加した。このようなPDGFの促進作用は高濃度のC-キナ-ゼ(PKC)活性化ホルボ-ルエステルの前処理によってPKCをダウンレギュレ-ションさせた細胞ではより強く認められた。また、PDGFによるHGF産生の増加は、TGF-βやグルココルチコイドのようなHGF産生阻害物質と報告されているサイトカインやホルモンにより強く阻害された。これらの知見はPDGFにより誘導されたHGFがPDGFの生体における創傷治癒促進作用に寄与する可能性を示すものである。
発表文献 Y.L.Wu: "Stimulation of hepatocyte growth factor production by ascorbic acid and its stable 2-glucoside" Growth Regulation. (in press). (1997)


 

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