| 研究課題名 | ビタミンEの生体内リサイクリングの分子機構 |
| レコードタイプ | 研究実績報告 |
| 報告年度 | 1996 |
| 研究期間 | 1995-1996 |
| 研究課題番号 | 07672346 |
| 研究代表者 | 新井 洋由 (アライ ヒロユキ) 東京大学・薬学部・助教授 |
| 研究代表者番号 | 40167987 |
| 研究機関 | 東京大学 研究機関番号:12601 |
| 研究種目 | 基盤研究(C) 研究種目コード:320 |
| 審査区分 | 一般 区分コード:03 |
| 研究分野[2] | 生物系薬学 研究分野コード:683 |
| キーワード | ビタミンE / 輸送蛋白質 / リポ蛋白質 |
| 研究概要 | α-tocopherol transfer protein(αTTP)は肝臓のサイトゾルの蛋白質であり、α-tocopherolと特異的に結合し、その膜間輸送を促進する活性をもつ。これまでに我々はαTTPが先天性ビタミンE欠乏症の原因遺伝子であることを明らかにしている。この遺伝病患者は一旦肝臓内に取り込まれたα-tocopherolを血液中に再循環する機能が失われており、αTTPが体内を循環するビタミンE量を調節する重要な因子であることが明らかになった。しかし肝細胞内でα-tocopherolの動態がαTTPによってどのように制御されているのかは依然不明である。そこで我々はラット肝癌由来細胞株McARH7777を用いて細胞レベルでαTTPの機能のアッセイを試みた。McARH7777はリポ蛋白質の分泌能を保持した細胞株であるがαTTPは発現していなかった。そこで我々はαTTPを恒常的に発現したMcARH7777細胞を樹立した。さらに放射標識α-tocopherolを用いて、一旦細胞内に取り込まれたα-tocopherolの細胞外への放出をアッセイする系を確立した。その結果、αTTPを発現した細胞ではコントロ-ル細胞に比べて有意にα-tocopherolの細胞外への放出量が増加した。またこの細胞外への放出はbrefeldinAによって阻害されないことからリポ蛋白質VLDLの分泌とカップルしたものではなかった。さらに興味深いことに細胞内コレステロ-ルの代謝調節作用があることが知られている25-OH cholesterolによってα-tocopherolの細胞外への放出が有意に抑制されることを見いだした。すなわち、αTTPによるα-tocopherolの細胞外への放出はゴルジ体を介さない新たな脂質輸送経路を介し、しかも細胞内コレステロ-ル輸送系とクロスト-クしている可能性が示唆された。この輸送経路の実体は明らかでないが、最近αTTPのアフィニティ-カラムで精製した膜表在性蛋白質p50が解明の糸口になるのではないかと期待している。 |
| 発表文献 | Kim H.-S.et al.: "Age-related changes of a-tocopherol transfer protein expression in rat liver" J Nutr.Sci Vitaminol.42. 11-18 (1996) Yokota T.et al.: "Retinitis Pigmentosa and Ataxia Caused by a Mutation in the Gene for the α-Tocopherol Transfer Protein" N.Engl.J.Med.335. 1770-1771 (1996) 新井洋由: "ビタミンE輸送タンパク質と先天性ビタミンE欠乏症" 日本油化学会誌, 10 (1996) |