| 研究課題名 | チンパンジーの狩猟対象の選択性に関する生態的基盤の地域間比較 |
| レコードタイプ | 研究実績報告 |
| 報告年度 | 2002 |
| 研究期間 | 2000-2002 |
| 研究課題番号 | 12640694 |
| 研究代表者 | 五百部 裕 (イホベ,ヒロシ) 椙山女学園大学・人間関係学部・助教授 |
| 研究代表者番号 | 20252413 |
| 研究機関 | 椙山女学園大学 研究機関番号:33906 |
| 研究種目 | 基盤研究(C) 研究種目コード:320 |
| 審査区分 | 一般 区分コード:03 |
| 研究分野[2] | 人類学(含生理人類学) 研究分野コード:361 |
| キーワード | チンパンジー / アカコロブス / 狩猟 / 肉食 / マハレ / タイ / カリンズ |
| 研究概要 | 1995年度以来調査を行ってきた、タンザニアのマハレのチンパンジーによる狩猟・肉食行動の主要な対象であるアカコロブスの対チンパンジー戦略に関して、これまで現地で収集してきた資料を分析した。その結果、1)マハレのアカコロブスは、チンパンジーの接近に対してはまず隠れ、チンパンジーによる狩猟が始まるとおとな雄を中心に反撃するという「警戒・防衛戦略」を取っている、2)対チンパンジー戦略としてアカオザルと混群を作ることはないといった点が明らかになった。また共同研究者である京都大学の上原教授とともに、チンパンジーの狩猟対象となっている昼行性哺乳類8種の分布と生息密度に関する分析を行った。その結果、チンパンジーの狩猟対象の選択は、必ずしも獲物の生息密度と相関するわけではないといった点が明らかになった。これらの成果を『マハレのチンパンジー:パンスロポロジーの37年』と題された論文集の一部として出版した。さらに共同研究者であるマックスプランク研究所のBoesch教授、および上原氏とともに、コートジボアールのタイ森林で得られたチンパンジーとアカコロブスの種間関係に関する資料を、マハレの同様の資料と比較し、この2種の種間関係の地域差について考察した。その結果、1)両地域ではチンパンジーの狩猟方法が異なり、それに応じてアカコロブスの対チンパンジー戦略も異なる、2)こうした両地域の違いは、植性や気候といった環境条件の違いだけでは説明できないといった点が明らかになった。この成果の一部を日本霊長類学会大会において口頭発表するとともに、全体的な成果を英語論文としてまとめ、英文論文集の一部として出版した。また2002年8月にマハレで野外調査を行った。この調査では、これまで断続的に収集してきた、チンパンジーの狩猟対象哺乳類8種の生息密度推定に関わる追加資料を収集した。この資料は現在分析中である。 |
| 発表文献 | Christophe Boesch:
"Variations in chimpanzee-red colobus interactions"
Behavioural Diversity in Chimpanzees and Bonobos.
221-230
(2002)
五百部 裕: "アカコロブスの対チンパンジー戦略" マハレのチンパンジー:パンスロポロジーの37年. 245-260 (2002) 上原 重男: "昼行性哺乳類の分布と生息密度:チンパンジーの獲物たち" マハレのチンパンジー:パンスロポロジーの37年. 129-152 (2002) 五百部 裕: "フィールドワークの苦しさと楽しさ" アフリカを歩く:フイールドワークの余白に. 80-98 (2002) 五百部 裕: "アカコロブスの対チンパンジー戦略の地域差" 霊長類研究 18(3). 380 (2002) |