ワオキツネザルにおける音声と事象の結びつきについての実験的研究


研究課題名 ワオキツネザルにおける音声と事象の結びつきについての実験的研究
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 2001
研究期間 2000-2001
研究課題番号 12740478
研究代表者 小田 亮  (オダ,リヨウ) 名古屋工業大学・工学部・助教授
研究代表者番号 50303920
研究機関 名古屋工業大学 研究機関番号:13903
研究種目 奨励研究(A) 研究種目コード:210
研究分野[2] 人類学(含生理人類学) 研究分野コード:361
キーワード ワオキツネザル / 音声コミュニケーション / 再生実験 / 警戒音 / 言語の進化
研究概要 伊豆シャボテン公園(静岡県伊東市)およびネオパークオキナワ(沖絶県名護市)において飼育されているワオキツネザルの集団を対象として、音声データの収集と分析ならびに野外実験を行った。
警戒音が指示する事象について明らかにするため、ワオキツネザルの頭上にワイアを張り、プラスチック板を切って作成した猛禽類のシルエットを滑らせ、反応を調べる実験を継続して行った。また、実験とは別に自然な状態でどのような場合に警戒音の発声がみられるかについての観察も引き続き行った。これらのデータから、ワオキツネザルの対猛禽類警戒音は鳥そのものに対して発せられているのではなく、ある程度の大きさの物体が頭上を動いているということが発声のきっかけになっていることが示唆された。また、対肉食獣警戒音を引き起こすきっかけのひとつとして、対象の新奇性があることが明らかになった。
警戒音についての研究と平行して、ワオキツネザルのコンタクト・コールが伝達する情報についての分析も行った。コンタクト・コールは個体間でかなり差があり、聞き手はコールにより個体を識別することができるのではないかということが先行研究によって示唆されている。そこで10個体についてコンタクト・コールを録音し、周波数分析を行って、パラメーターを計測した。パラメーターを判別分析にかけたところ、先行研究で示されたほどの高い判別率にはならなかった。コンタクト・コールは行動の文脈によっても変化することがこれまでの研究で明らかになっており、生息環境が異なればコールによって伝達される情報も異なってくることが考えられる。
これらの成果や、過去にマダガスカルにおいて行った野生ワオキツネザルの研究成果、あるいは最近の音声コミュニケーションについての比較行動学的研究をふまえ、ヒト言語の進化について考察した。
発表文献 小田 亮:   "両耳処理の進化生物学"  日本音響学会誌 58巻3号(未定).   (2002)  


 

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