野生ヒガシローランドゴリラにおける遺伝子マーカーを利用した社会構造の解析


研究課題名 野生ヒガシローランドゴリラにおける遺伝子マーカーを利用した社会構造の解析
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 2003
研究期間 2001-2003
研究課題番号 01J02879
研究代表者 松原 幹  (マツバラ,ミキ) 京都大学・大学院・理学研究科・特別研究員(PD)
研究機関 京都大学 研究機関番号:14301
研究種目 特別研究員奨励費 研究種目コード:500
審査区分 国内 区分コード:21
研究分野[2] 人類学(含生理人類学) 研究分野コード:361
キーワード MHC多型 / DRB / 霊長類 / ゴリラ / 社会構造 / 保全遺伝学 / 遺伝的多型性
研究概要 今年度は、前年度から始めた野生のヒガシローランドゴリラにおけるMHC (Major histocompatibility complex:主要組織適合複合体)Class II, DRB遺伝子領域における多型解析を、Dr.Leslie Knapp (University of Cambridge)の研究室にて行った。MHC (Major histocompatibility complex:主要組織適合複合体)遺伝子は、多型が高く、血縁判定に応用可能であることが、ニシローランドゴリラを対象とした予備実験で判明している。また、MHCは免疫機構と関連することから、霊長類における免疫系の進化メカニズムの解明に役立ち、医学的基礎的資料とも成りうる。MHC遺伝子の多型が高いほど疾病への抵抗力が高いことから、MHC遺伝子の多様性維持は生物種の保全において重要である。糞サンプルから抽出したDNAを用いて、PCRを行い、PCR産物をDGGE (Denaturing Gradient Gel Electrophoresis:変性剤濃度勾配ゲル電気泳動)法によって多型分離した。
この実験で複数の領域が分離され、この領域における個体差が示唆された。この後、バンドを切り出し、M13を付加したプライマーセットでサンプルの一部を使ってPCRを行い、塩基配列の解読を行った。その結果、増幅領域はこれまで未報告のMHC Class II DRB遺伝子であることが判明した。微量DNAサンプルである毛髪は、DNA濃度が極めて低いため、DGGE法におけるこの領域のバンドが確認できなかった。残念ながら、滞英期間と実験費が足りなくなったため、増幅・分離したMHC Class II DRB遺伝子と思われるバンドの塩基配列確認作業が中途である。今後、糞サンプルによるMHC解析技術についての短報を投稿するか、助成金を得られ次第、実験を再開し、野生ヒガシローランドゴリラのMHC遺伝子多型報告として投稿するかを共同研究者のDr.Knappと相談中である。
発表文献 Miki Matsubara, David S.Sprague:   "Mating tactics in response to costs incurred by mating with multiple males in wild female Japanese macaques (Macaca fuscata yakui)"  International Journal of Primatology (in press).   (2004)  
Miki Matsubara:   "Cost of mate guarding and opportunistic mating among wild male Japanese macaques."  International Journal of Primatology 24.,5.  1057-1075  (2003)  


 

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