形態の3次元高精度デジタル復元システムの開発的研究


研究課題名 形態の3次元高精度デジタル復元システムの開発的研究
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 2003
研究期間 2002-2003
研究課題番号 14204082
研究代表者 石田 英實  (イシダ,ヒデミ) 滋賀県立大学・人間看護学部・教授
研究代表者番号 60027480
研究機関 滋賀県立大学 研究機関番号:24201
研究分担者 中務 真人  (ナカツカサ マサト)  京都大学・大学院・理学研究科.  助教授  (00228739)   
荻原 直道  (オギハラ ナオミチ)  京都大学・大学院・理学研究科.  助手  (70324605)   
伊丹 君和  (イタミ キミワ)  滋賀県立大学・人間看護学部.  講師  (30310626)   
久留島 美紀子  (クルシマ ミキコ)  滋賀県立大学・人間看護学部.  助手  (50310628)   
栗田 祐  (クリタ ユタカ)  滋賀県立大学・工学部.  教授  (70275171)   
研究種目 基盤研究(A) 研究種目コード:300
審査区分 一般 区分コード:03
研究分野[3] 人類学 研究分野コード:5901
キーワード 損傷、変形形態 / 復元 / 3次元計測 / 数理モデル / 薄板スプライン関数 / 3次元構築 / 人類学 / 考古学
研究概要 損傷、変形を受けた形態の復元は、人類学や考古学などで非常に重要である。しかし、その作業の主体はマニュアルであり、精度の高い修復には多くの時間と長い作業経験が不可欠であつた。そのため本研究では計算機内に3次元構築した変形化石を,形態情報に基づいて客観的に修復・復元するシステムを開発した。
特に本研究では、頭蓋骨など左右対称の骨について変形形態の復元手法を開発した。左右対称な骨では,正中矢状面内の特徴点は空間の同一平面上に、その他の左右で対になる特徴点は2点を結ぶ線分が正中矢状面と中点で垂直に交わる位置に、必ず存在する。しかし、土圧などにより化石が変形するとそのような幾何学的関係が失われる。このことに着目して客観的な変形復元を行う方法を考案した。具体的には、化石の3次元表面形状データと解剖学的特徴点の座標を取り込み、特徴点の位置を上述の幾何学的制約を満たすように移動させた。そして元座標から修正座標への非線形写像を薄板スプライン関数によつて記述し、それを用いて化石の表面形状全体を変換することにより変形の除去を行つた。
本手法を応用して、中新世化石類人猿プロコンスルの変形頭蓋骨化石の復元を試み,光造形装置により立体モデルとして実空間に取り出した。化石化の過程で形態が受ける変形は,直方体が平行六面体になるような一種な変換ではなく、部位により歪みの大きさや方向が異なる非線形変換である。しかし、本手法によれば、そのような変形を受けている化石でも、その歪みを除去することができ、本手法の有効性を確認した。
このように、CT等から得られるデジタル形状情報から仮想空間内で化石や骨の3次元構築を行い、それを計算機により数理的に復元して立体形状を作成するシステムは、生物の形態分析に必要不可欠な技術であり、当該分野の今後の発展に貢献するものとなる。
発表文献 H.Ishida, Y.Kunimatsu, T.Takano, Y.Nakano, M.Nakatsukasa:   "Nacholapithecus skeleton from the Middle Miocene of Kenya"  Journal of Human Evolution 46.  69-103  (2004)  
荻原直道, 中務真人, 中野良彦, 石田英實:   "プロコンスル頭蓋骨の3次元形態モデリング"  霊長類研究 19.  217-227  (2003)  
荻原直道, 山中敦之, 中務真人, 石田英實:   "有限要素法を用いた霊長類肩甲骨の機能形態学的分析"  霊長類研究 19.  203-215  (2003)  
M.Nakatsukasa, Y.Kunimatsu, Y.Nakano, T.Takano, H.Ishida:   "Comparative and functional anatomy of phalanges in Nachorlapithecus kerioi, a Middle Miocene hominoid from northern Kenya"  Primates 44.  371-412  (2003)  
中務真人, 荻原直道:   "自然人類学研究I、石田英実教授退官記念論文集"  金星舎.  142  (2004)  


 

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