霊長類における体毛色多様性に関与する分子遺伝学的機構の解明


研究課題名 霊長類における体毛色多様性に関与する分子遺伝学的機構の解明
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 2004
研究期間 2003-2004
研究課題番号 03J11415
研究代表者 中山 一大  (ナカヤマ カズヒロ) 東京大学・大学院・理学系研究科・特別研究員(PD)
研究機関 東京大学 研究機関番号:12601
研究種目 特別研究員奨励費 研究種目コード:500
審査区分 国内 区分コード:21
研究分野[2] 人類学(含生理人類学) 研究分野コード:361
キーワード テナガザル / 体毛色多様性 / 色素形成 / 遺伝子 / 多型
研究概要 シロテテナガザルHylobates larは、個体間で体毛色の明確な二相性(暗相と明相)を示す。先行研究から、暗相は明相に対して優性で、単一座位の対立遺伝子によって制御されている可能性が示されている。この二相性の背景となっている分子基盤を解明するために、哺乳類におけるメラニン合成に重要な役割を果たすタンパク質をコードする遺伝子のうち、melanocortin 1 receptor gene (MC1R), membrane associated transporter protein gene(MATP), P-protein gene(P), Pmel17 protein gene(SILV), tyrosinase gene(TYR), tyrosinase related protein 1 gene(TRP1)について、シロテテナガザル種内での遺伝的多様性をPCR-ダイレクトシークエンシング法などの手法を用いて調査した。また、他のテナガザル6種についても上記遺伝子の塩基配列決定を行った。
シロテテナガザル26個体(内暗相12個、明相14個体)を調査した結果、これらの遺伝子上に50個所の多型部位を同定した。その内訳は、非同義多型12箇所、同義多型17箇所、イントロンなどのタンパク質非コード領域21箇所であった。これまでに仮定されていた単純な優性メンデル遺伝と符号するような多型の存在は確認されなかった。しかしながらMC1RのHis225Tyr多型におけるTyr対立遺伝子は、明相の個体間でより高い頻度で存在する上、in vitroにおける機能解析の結果、melanocortin 1 receptorのcAMP産生能を低下させることが示唆されている。シロテテナガザルの体毛色多様性は、MC1RのHis225Tyr多型をはじめ、今回同定された多型の幾つかの組み合わせによって決定されている可能性が考えられる。


 

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