カルシウムイオンによる繊毛運動パターンの制御メカニズム


研究課題名 カルシウムイオンによる繊毛運動パターンの制御メカニズム
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 2003
研究期間 2002-2003
研究課題番号 14780547
研究代表者 岩楯 好昭  (イワダテ,ヨシアキ) 徳島大学・総合科学部・助手
研究代表者番号 40298170
研究機関 徳島大学 研究機関番号:16101
研究種目 若手研究(B) 研究種目コード:260
研究分野[3] 細胞生物学 研究分野コード:5805
キーワード 繊毛逆転 / カルシウム / 繊毛 / 鞭毛 / ゾウリムシ
研究概要 繊毛・鞭毛は,原生動物から高等動物の精子や気管に至るまで,真核生物に普遍的に存在する運動器官である。細胞内カルシウムイオン濃度に応じて運動パターンを変えるという大きな特徴を持つ。例えば精子鞭毛は細胞内カルシウムイオン濃度が低いと左右対称な鞭毛打を示すが高くなると左右非対称になる。ゾウリムシなど繊毛虫類は細胞内カルシウムイオン濃度上昇によって繊毛打方向を逆転(繊毛逆転)させ,後ろ向きに遊泳する。この細胞内カルシウムイオン濃度による繊毛・鞭毛運動の制御の仕組みはまったく分かっていない。
ゾウリムシでは繊毛逆転のみならず,細胞収縮・エキソサイトーシスもカルシウムイオンによって誘発される。これら3つの細胞機能はそれぞれ独立に制御されているが,カルシウムイオンのみによってどのように独立に制御されているのかは分かっていなかった。
本研究で,我々は,ケイジドカルシウムを注入したゾウリムシにごく弱い紫外線を当て続け,緩やかに細胞内カルシウム濃度を上昇させ,その過程を高速ビデオに記録した。すると,細胞はカルシウム濃度依存的に収縮し続け,繊毛はある時点で全か無か的に逆転した。以上の結果から,ゾウリムシの細胞収縮・繊毛逆転に関して,細胞収縮はカルシウム濃度依存的に起こる一方,繊毛逆転は細胞収縮に比べ極めて狭いカルシウム濃度の変化で生じることが強く示唆される。また,細胞体収縮が始まるカルシウム濃度は,繊毛逆転が起きるカルシウム濃度よりも低いことが分かった。このゾウリムシの細胞機能の制御機構は,単一の細胞でカルシウムという単一の細胞内信号を使っていても,その作用機構が異なる典型的な例といえるだろう。
本研究の成果は,11.研究発表の他,現在国際学術誌に投稿のため原稿執筆中である。
発表文献 Yoshiaki IWADATE:   "High speed video recording of ciliary reversal and cell body contraction in Paramecium induced by slow photolysis of caged calcium"  The Japanese Journal of Protozoology 発表予定.  


 

Copyright 2007 All Rights Reserved ja-tec.com