インテグリンα3β1を介するシグナル伝達機構の解析


研究課題名 インテグリンα3β1を介するシグナル伝達機構の解析
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 2003
研究期間 2002-2003
研究課題番号 14580697
研究代表者 顧 建国  (グ,チェゴ) 大阪大学・医学系研究科・助教授
研究代表者番号 40260369
研究機関 大阪大学 研究機関番号:14401
研究分担者 関口 清俊  (セキグチ キヨトシ)  大阪大学・蛋白質研究所.  教授  (50187845)   
研究種目 基盤研究(C) 研究種目コード:320
審査区分 一般 区分コード:03
研究分野[3] 細胞生物学 研究分野コード:5805
キーワード 基底膜 / インテグリン / ラミニン / チロシンリン酸化 / マトリックスメタロプロテアーゼ / 糖鎖
研究概要 細胞がインテグリンを介して細胞外マトリックス(ECM)に接着することによって、細胞の運動、増殖、分化または生存に関わる様々シグナルを伝達することが知られている。これまでのインテグリンの研究では、フィブロネクチン(FN)への接着によってインテグリンα5β1から伝達されるシグナルの解析に重点が置かれてきた。しかし、FNを用いた研究だけでは、インテグリンを介する多様なシグナル伝達のごく一面しか捉えることができない。インテグリンα3β1は上皮細胞に最も高発現するインテグリンであり、その主要リガンドであるラミニンα5鎖を含むラミニン-10/11(LN-10/11)は成体基底膜において最も広範囲に発現している。本研究は、基底膜の主要接着分子であるLN-10/11からα3β1を介して伝達されるシグナルが細胞運動・増殖・生存にどのように関わるかを調べた。その結果、1)LN-10/11への接着はPl3-kinase/Akt経路を強く活性化し、無血清培養条件下で誘導したアポトーシスを強く抑制した;2)インテグリンα3β1を介するLN-10/11への接着はFAKよりもp130Casを選択的にリン酸化し、Racを活性化することによって細胞に強く遊走能を持たせた;3)LN-10/11に接着した細胞の強く運動能がECM分解酵素であるマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)の活性化と深く関わることが見出し、他のECMよりラミニン-10/11やラミニン-5に接着した細胞におけるMMP-2の産生が多く誘導された;4)またインテグリンのアスパラギン型糖鎖構造を改変することによって、インテグリンおよび増殖因子受容体の機能が選択的に制御されることが明かとなった。このようなECMに依存したインテグリンを介して伝達されるシグナルは上皮細胞の生存・分化・癌化の過程に深く関与している可能性がある。
発表文献 Shigeta, M., et al.:   "CD151 regulates epithelial cell-cell adhesion through PKC- and Cdc42-dependent actin cytoskeletal reorganization."  J.cell Biol. 163.  165-176  (2003)  
Noda, K., et al.:   "Relationship between elevated FX expression and increased production of GDP-L-fucose, a common donor substrate for fucosylation in human hepatocellular carcinoma and hepatoma cell lines."  Cancer Res. 63.  6282-6289  (2003)  
Inamori, K., et al.:   "Molecular Cloning and Characterization of Human GnT-IX, A Novel β1,6-N-Acetylglucosaminyltransferase That Is Specifically Expressed in The Brain."  J.Biol.Chem. 278.  50546-50553  (2003)  
Gu, J., et al.:   "beta1,4-N-Acetylglucosaminyltransferase III down-regulates neurite outgrowth induced by costimulation of epidermal growth factor and integrins through the Ras/ERK signaling"  Glycobiology 14.  177-186  (2004)  
Isaji, T. et al.:   "Introduction of bisecting GlcNAc into integrin alpha5beta1 reduces ligand binding and down-regulates cell adhesion and cell migration"  J.Biol.Chem. 279(in press).   (2004)  


 

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