フィラミンA架橋アクチン系細胞骨格の細胞内動態とその力学応答機能


研究課題名 フィラミンA架橋アクチン系細胞骨格の細胞内動態とその力学応答機能
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 2003
研究期間 2002-2003
研究課題番号 14580695
研究代表者 伊藤 忠直  (イトウ,タダナオ) 京都大学・大学院・理学研究科・助教授
研究代表者番号 90093187
研究機関 京都大学 研究機関番号:14301
研究分担者 川端 和重  (カワバタ カズシゲ)  北海道大学・大学院・理学研究科.  教授  (20261274)   
大橋 一世  (オオハシ カズヨ)  千葉大学・理学部.  教授  (90114248)   
山崎 昌一  (ヤマザキ マサヒト)  静岡大学・理学部.  助教授  (70200665)   
研究種目 基盤研究(C) 研究種目コード:320
審査区分 一般 区分コード:03
研究分野[3] 細胞生物学 研究分野コード:5805
キーワード アクチン系細胞骨格 / フィラミンA / フィラミンA-欠損細胞 / 細胞運動 / 細胞分裂 / 細胞の堅さ / アクリルアミドゲル基盤 / 走査型プローブ顕微鏡
研究概要 本研究では、フィラミンが細胞の運動や形態の維持に果たす役割を明らかにする目的で、フィラミンの発現をノックアウトした癌細胞(M2細胞)とフィラミンの発現を回復させた癌細胞(A7細胞)を用いて以下の実験を行った。ガラス基盤上における細胞の増殖・運動状態を位相差顕微鏡により長時間観察した。また、走査型プローブ顕微鏡(SPM)を用いて生細胞の表面形状と硬さを測定し、その後細胞骨格タンパクを固定染色することで表面構造の比較をした。また、細胞の発生する力を比較する目的で、基盤にアクリルアミドゲル(AAmゲル)を用いて同様の実験を行い、次のような結果を得た。
(1)細胞の増殖・運動を長時間観察した結果、A7細胞はM2細胞よりも高い運動能をもつことが明らかとなった。また、A7細胞がAAmゲル基盤にひずみを生じさせながら運動する様子も観察された。増殖率はガラス基盤上のほうが多少高かったものの、A7細胞とM2細胞の間に違いは見られなかった。
(2)これまで、SPMによる測定では、ゲルのような軟らかい基盤上の細胞を測定するのは困難であったが、今回はじめてA7細胞がゲルに収縮力を働かせて基盤を変形させる姿が観察された。また、A7細胞の表面にはアクチンから成るストレスファイバー構造が観察されたが、M2細胞にはほとんど見られなかった。むしろM2細胞にはアクチンフィラメント以外の構造が観察された。さらに、細胞表面のかたさを解析した結果、A7細胞のほうが全体的に硬く、細胞全体でかたさに広い分布をもつことがわかった。
これらの結果から、フィラミンがアクチンゲルを形成することでストレスファイバーが安定化され、このことが細胞の運動能や細胞の硬さを増加させ、ゲル基盤への収縮力に寄与していることが明らかになった。
発表文献 伊藤 忠直:   "タンパク質分子モーターは第2種の永久機関?"  生物物理 44・2(発表予定).   (2004)  


 

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