核-細胞質間のtRNAのダイナミクス


研究課題名 核-細胞質間のtRNAのダイナミクス
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 2003
研究期間 2002-2003
研究課題番号 14580694
研究代表者 吉久 徹  (ヨシヒサ,トオル) 名古屋大学・物質科学国際研究センター・助教授
研究代表者番号 60212312
研究機関 名古屋大学 研究機関番号:13901
研究種目 基盤研究(C) 研究種目コード:320
審査区分 一般 区分コード:03
研究分野[3] 細胞生物学 研究分野コード:5805
キーワード tRNA / splicing / RNA ligase / 核外輸送 / tRNA endonuclease
研究概要 本計画は、tRNAのsplicingに関与するtRNA ligaseの細胞内局在と、tRNA前駆体の細胞内動態を明らかにすることを目的としている。本年度は、酵母(S.cerevisiae)tRNA ligase (Rlg1p)の部分欠失変異体等を用いた細胞内動態解析と前駆体・成熟体tRNAの細胞内動態解析の2点を研究の中心とした。
◆Rlg1Pの細胞内局在が分子内に散在する局在化シグナルによって司られる可能性を、部分欠失体とGFPとの融合Rlg1P発現株を用いて検討した。しかし、特に局在化シグナルを見いだすには至らなかった。他方、ミトコンドリア外膜への局在化シグナルを融合したRlg1pが、tRNAおよびHAC1 mRNAのsplicingに正常に機能したことから、本酵素が核膜の細胞質側で定常的に局在しつつ、機能することが明かとなった。
◆昨年度開発した^3H-uracilを用いたパルスラベル-ハイブリダイゼーション沈降法により、splicing endonucleaseの変異株が制限温度下で蓄積するtRNA前駆体が、許容温度下に移すことで成熟体に移行することが分かった。この条件下、殆どの前駆体tRNAが細胞質に存在することを確認しており、in vivoにおいて前駆体tRNAが細胞質でsplicingされることを示す有力な証拠が得られた。また、ヌクレオチド枯渇条件下で同じ実験を行うと、核に残された前駆体のみがsplicingされず、細胞質へ出ることがsplicingに必須であることが確認された。
◆異種酵母(S.pombe)tRNAの発現系と酵母接合を利用したヘテロカリオンアッセイを開発した。これにより、S.pombeのtRNAを発現していない核にこのtRNAの成熟体が検出されることから、細胞質へ輸送された成熟体tRNAが核内に再輸送されうることをはじめて明らかにした。
発表文献 T.Yoshihisa, et al.:   "Possibility of Cytoplasmic pre-tRNA Splicing : the Yeast tRNA Splicing Endonuclease Mainly Localizes on the Mitochondria"  Mol.Biol.Cell 14.  3266-3279  (2003)  
遠藤斗志也 他:   "ミトコンドリアをめぐるタンパク質フラックス"  実験医学(増刊号「細胞内輸送-研究の最前線」) 21.  1889-1895  (2003)  


 

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