EELS電子顕微鏡による分子複合体レベルでのリン酸化のイメージング


研究課題名 EELS電子顕微鏡による分子複合体レベルでのリン酸化のイメージング
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 2002
研究期間 2001-2002
研究課題番号 13878147
研究代表者 臼倉 治郎  (ウスクラ,ジロウ) 名古屋大学・大学院・医学系研究科・助教授
研究代表者番号 30143415
研究機関 名古屋大学 研究機関番号:13901
研究種目 萌芽研究 研究種目コード:401
研究分野[2] 細胞生物学 研究分野コード:823
キーワード EELS / リン酸化 / 細胞膜 / ラフト / 元素マッピング / 電子顕微鏡 / 培養細胞 / ESI
研究概要 細胞内での情報伝達系ではしばしば蛋白のリン酸化がスイッチのon offの役目を果たす。視物質ロドプシンはリン酸化により光に対する不活性化が起こる。すなわち、リン酸化はその蛋白の機能と直接結びついている。もしリン酸化のイメージングが出来ればまさに細胞の活動のイメージングになるはずである。このような課題のもとに本研究に着手した。基本的には以下の3群の培養細胞を用いて、急速凍結、分子蒸留乾燥、包埋切片としてEELS顕微鏡により、リンの元素マッピングをおこない、それらを比較してリン酸化をリン原子の数量として検出したこの方法は観察視野内での比較定量性があり、また、これまでの元素X線微少分析に比べ分解能と検出感度に優れている。無機材料では約3〜5個の元素を検出できると言われている。 1群:PKA,PKCのinhibitorを入れ、リン酸化を極力抑えて培養した細胞 2群:phosphataseを含む培地でできるだけ脱リン酸化状態で培養した細胞 3群:正常な培地で培養した細胞
残念ながら、リン酸化の可視化はまだ成功していない。リンの元素マッピングは容易にできるようになったが、リン脂質からのシグナルが多く、リン酸化との区別が出来なかった。ただ膜および膜直下のリン元素の分布を見るとそれは均一ではなく様々なドメインを形成していた。当初はこのドメインがリン酸化かと思われたが、上述3群全てにおいて同様な傾向が認められたので、もともとの構造におけるリンの分布に由来しているものと考えられる。しかし、リンのシグナルの大半が膜を構成するリン脂質からだとすると膜を構成する脂質においてもドメインが存在することになり、そのイメージングをしたことになる。これは極めて新しい発見でラフトのようなドメインが膜に存在するという形態学的な証拠を提出したことになる。
発表文献 Jiro Usukura:   "DEAD-box protein rck/p54 unwinds double-stranded RNAs and has RNase activity in vitro"  Gene to cells (In press).  
Jiro Usukura:   "Mechanism of leflunomide-induced proliferation of mitochondria in mammalian cells"  Mitochondrion 2.  163-179  (2002)  
Jiro Usukura:   "Clamp and clamp loader structures of the human checkpoint protein complexes Rad9-1-1 and Rad17-RFC"  Gene to Cells 7.  861-868  (2002)  


 

Copyright 2007 All Rights Reserved ja-tec.com