変異bc1-2を用いたアポトーシス誘導機構の解析


研究課題名 変異bc1-2を用いたアポトーシス誘導機構の解析
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 2002
研究期間 2001-2002
研究課題番号 01J60088
研究代表者 川谷 誠  (カワタニ,マコト) 慶應義塾大学・理工学研究科・特別研究員(DC2)
研究機関 慶應義塾大学 研究機関番号:32612
研究種目 特別研究員奨励費 研究種目コード:500
審査区分 国内 区分コード:21
研究分野[2] 細胞生物学 研究分野コード:823
キーワード Bc1-2 / BH domain / apoptosis / anticancer drug / inostamycin / camptothecin / ceramide / dominant negative
研究概要 Bc1-2のアポトーシス制御の詳細な機能を解析する目的で、Bc1-2 familyに共通して存在するドメインに着目し、抗癌物質誘導性アポトーシスにおけるBc1-2ドメイン構造の機能解析を試みた。
1.イノスタマイシン誘導性アポトーシスにおけるBc1-2ドメイン構造の機能解析
PI代謝回転阻害剤イノスタマイシンが誘導するアポトーシス経路において、Bc1-2がceramide合成も抑制することを見出した。そこで、この抑制にBc1-2のどのドメインが関与しているかを、様々なドメイン欠損変異体を作製し検討した。その結果、Bc1-2のBH3とBH4ドメインは、ceramide合成抑制とcytochrome c放出阻害のいずれにも必要であることがわかった。一方、transmembraneドメイン欠損変異体は、cytochrome cの放出は阻害したが、ceramide合成は抑制できなかった。このことから、Bc1-2がイノスタマイシンによるceramide合成を抑制するには膜への局在が重要であることが示唆された。
2.BH1ドメイン欠損変異Bc1-2のアポトーシス促進機構の解析
種々の抗癌物質が誘導するアポトーシスにおける変異Bc1-2の作用を検討した結果、BH1ドメイン欠損変異Bc1-2はカンプトテシンによるアポトーシス誘導を促進することを見出した。この効果は、BaxやBakと結合できないBH1ドメイン内の点変異体でも同様に観察された。これらの変異体は野生型Bc1-2との結合能は保持していたが、変異体を発現させると野生型Bc1-2とBaxの結合を阻害し、かつ野生型Bc1-2のBax誘導性アポトーシス阻害活性を消失させた。これらのことから、BH1ドメイン欠損変異Bc1-2はBc1-2のドミナントネガティブ体として機能していることがわかった。以上の結果より、BH1ドメイン欠損変異Bc1-2は内在性Bc1-2の抗アポトーシス活性を阻害することで、カンプトテシンなどが誘導するアポトーシスを促進することを見出した。
発表文献 Makoto Kawatani et al.:   "Transmembrane Domain of Bc1-2 Is Required for Inhibition of Ceramide Synthesis, but not Cytochrome c Release in the Pathway of Inostamycin-Induced Apoptosis"  Exp. Cell Res. (in press).  


 

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