Rhoファミリー及びそのエフェクター分子を介する細胞骨格分子の制御機構


研究課題名 Rhoファミリー及びそのエフェクター分子を介する細胞骨格分子の制御機構
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 2002
研究期間 2001-2002
研究課題番号 13780574
研究代表者 天野 睦紀  (アマノ,ムツキ) 名古屋大学・大学院・医学系研究科・講師
研究代表者番号 90304170
研究機関 名古屋大学 研究機関番号:13901
研究種目 若手研究(B) 研究種目コード:260
研究分野[2] 細胞生物学 研究分野コード:823
キーワード Rho / Rho-キナーゼ / Na^+K^+-ATPase / NKA
研究概要 本研究では、Rhoサブファミリー分子やそのエフェクター分子をツールとして、個体の発生などの形態形成過程における個々の細胞の細胞骨格分子の制御機構を理解することを目的としている。
申請者はこれまでにRhoのエフェクター分子、特にRho-キナーゼとミオシンフォスファターゼのミオシン結合サブユニットの生理機能、および作用機構について解析を行ってきた。本研究で申請者は、Rho/Rho-キナーゼがNa^+,K^+-ATPase(NKA)の局在に影響を及ぼすことを見出した。NKAはNa^+を細胞外に能動的に輸送するイオンポンプで生体内に広く分布している。例えば尿細管細胞ではNKAは側底膜にのみ局在し、この局在がNa^+の一定方向性の輸送(Na^+の再吸収)に重要であると考えられている。ラット腎由来のNRK52E細胞においてNKAは細胞間接着部位や細胞辺縁に濃縮して見られるが、活性型Rhoをマイクロインジェクションすると細胞上部の突起様構造物に濃縮するようになった。この現象はRho-キナーゼの阻害剤であるY-27632やRho-キナーゼのドミナントネガティブ体により阻害された。また、活性型Rhoにより誘導されるNKAの局在変化と同様の局在変化がリン酸化ERM蛋白質(Rho-キナーゼの基質蛋白質のひとつ)についても起こること、NKAとリン酸化ERM蛋白質は突起様構造物において一部共局在すること、を示した。以上の結果より、Rho/Rho-キナーゼシグナルはNKAの極性を有する局在化、あるいはその維持に何らかの役割を果たしていることが示唆された。さらに、NKAの局在にリン酸化ERM蛋白質が関与している可能性も考えられる。
一方で、申請者は共同研究者と共に、線虫において、yeast two-hybrid法とRNAi法を組み合わせた機能的スクリーニング法の開発を行った。この方法により、Racのエフェクター分子HEM-2の線虫ホモログであり、線虫の組織形態形成に関与するGEX-3に結合する分子のスクリーニングを行った。
発表文献 Maeda A., Amano M., Fukata Y., Kaibuchi K.:   "Translocation of NA(+),K(+)-ATPase is induced by Rho small GTPase in renal epithelial cells"  Biochem Biophys Res Commun 297(5).  1231-1237  (2002)  
Tsuboi D., Qadota H., Kasuya K., Amano, M., Kaibuchi K.:   "Isolation of the interacting molecules with GEX-3 by a novel functional screening"  Biochem Biophys Res Commun 292(3).  697-701  (2002)  


 

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