硬骨魚の寒冷適応と腎機能及びその内分泌制御


研究課題名 硬骨魚の寒冷適応と腎機能及びその内分泌制御
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 1992
研究期間 1991-1992
研究課題番号 03640624
研究代表者 小川 瑞穂  (オガワ ミズホ) 埼玉大学・大学院・政策科学研究科・教授
研究代表者番号 310180008630
研究機関 埼玉大学 研究機関番号:12401
研究種目 一般研究(C) 研究種目コード:090
研究分野[1] 動物形態・分類学 研究分野コード:456
キーワード 血漿滲透圧 / ナトリウム濃度 / 不凍糖タンパク / 下垂体 / 成長ホルモン / プロラクチン / 寒冷適応 / 硬骨魚
研究概要 冬期と夏期に北海道産のコマイの下垂体を用い、免疫組織化学的手法で成長ホルモンとプロラクチン産生細胞の動態を観察した。成長ホルモン産生細胞は下垂体前葉主部に、プロラクチン産生細胞は前葉端部に局在して見られた。成長ホルモン及びプロラクチンの抗体に対し冬期のものでは陽性反応が弱く、反応を示す細胞は少なかった。夏期では両抗体により多くの細胞で陽性反応が見られ、反応も著しかった。
成長ホルモンは肝臓中の不凍糖タンパクのmRNAの転写を阻害し、その合成を停止させることが知られている。以前の研究で冬期のコマイの腎糸球体は萎縮し不凍糖タンパクの保持に関与し、夏期には糸球体が拡張してその排出に関与していると推測した。プロラクチンは夏期に糸球体を拡張し、冬期に蓄積した不凍糖タンパクを濾過・排出し、その消失に関与している可能性が残され、今後の検討課題である。
同時に、これらのコマイの血液を採取し、その血漿滲透圧と血中ナトリウム濃度を測定した。血漿滲透圧は夏期に比して冬期に有意に高く、これは不凍糖タンパクの存在によるものと考えられる。血中ナトリウム濃度も冬期が有意に高く、夏期に低くかった。コマイでは冬期に血中に不凍糖タンパクを増加させるだけでなく、ナトリウム濃度の増加も加味されて、寒冷な環境水温による体液の凍結を防いでいる。
しかし、冬期における血中ナトリウム濃度の増加が如何なる機構でその様に増加し、それが如何なるホルモンの制御によるかは今後の課題と思われる。
発表文献 Ogawa,Fukuda,Hayashida & Fukuchi: "On the kidney and the adrenocortical tissue of toothed smelt and surfsmelt,and thelrcold adaptation." Proc.NIPR Symp,Polar Biology. 4. 30-35 (1991)
Ogawa,Igarashi,Urashima & Fukuchi: "On the pituitary gland of the saffron cod,Eleginus gracilis and their cold adaptation." Proc.NIPR Symp,Polar Biology. 6. 38-43 (1993)


 

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