原生生物太陽虫細胞質内におけるカルシウム依存性収縮系の解析


研究課題名 原生生物太陽虫細胞質内におけるカルシウム依存性収縮系の解析
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 2003
研究期間 2002-2003
研究課題番号 02J09544
研究代表者 有川 幹彦  (アリカワ,ミキヒコ) 神戸大学・大学院・自然科学研究科・特別研究員(PD)
研究機関 神戸大学 研究機関番号:14501
研究種目 特別研究員奨励費 研究種目コード:500
審査区分 国内 区分コード:21
研究分野[2] 生物形態・構造 研究分野コード:354
キーワード 原生動物 / 太陽虫 / 細胞質 / 核 / カルシウム / 収縮
研究概要 1)細胞質の収縮運動
原生生物太陽虫の示す軸足収縮運動は、既知の分子機構では説明できない特異な細胞運動である。電子顕微鏡による観察の結果、軸足収縮運動の際にcontractile tubulesと呼ばれる繊維構造が形態変化することが分かっていた。しかしながら、contractile tubulesと軸足収縮運動とを結びつける直接的な証拠はまだ得られていなかった。これまでに、本研究において、セルモデルを用いた光学顕微鏡および電子顕微鏡による観察の結果、カルシウム依存的なcontractile tubulesの形態変化が細胞質の収縮運動の原動力になっていることを明らかにした。更に、細胞破砕液にカルシウムを加えることにより、contractile tubulesを含む沈殿物がカルシウム濃度依存的に生じる現象を見出した。解析の結果、得られた沈殿物には、細胞質収縮運動に関与しないタンパク質も多く含まれており、カルシウムによってcontractile tubulesが形態変化する際に、それらのタンパク質を絡み取り、塊を形成して共沈殿しているという可能性が示唆された。また、スライドグラスに貼り付いた沈殿物がカルシウム依存性の収縮性を示したことから、細胞質の収縮運動を沈殿物の収縮という形でin vitroで再現することができた。
2)核の収縮運動
これまでに、いくつかの原生生物、特に繊毛虫ユープロテスにおいて、核内にカルシウム依存性の収縮機構が存在することを明らかにした。今回、単離・脱膜処理後の太陽虫の核を用いて更なる解析を行った。カルシウムの添加・除去に伴い、核内構造の局所的密度の変化が光学顕微鏡によって観察された。電子顕微鏡による観察の結果、核の収縮運動は、核内に散在する微小繊維構造のカルシウム依存的な凝集と拡散によって制御されている可能性が示唆された。
発表文献 Mikihiko Arikawa:   "Ca^<2+>-dependent contractility of isolated and demembranated macronuclei in the hypotrichous ciliate Euplotes aediculatus."  Cell Calcium 33.  113  (2003)  


 

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