遷移金属触媒による選択的炭素-炭素結合開裂を鍵とする新規合成反応の開発


研究課題名 遷移金属触媒による選択的炭素-炭素結合開裂を鍵とする新規合成反応の開発
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 2003
研究期間 2002-2003
研究課題番号 14750680
研究代表者 西村 貴洋  (ニシムラ,タカヒロ) 京都大学・工学研究科・助手
研究代表者番号 50335197
研究機関 京都大学 研究機関番号:14301
研究種目 若手研究(B) 研究種目コード:260
研究分野[3] 合成化学 研究分野コード:4702
キーワード パラジウム / 光学活性配位子 / アリール化反応 / シクロブタノール / β炭素脱離 / 炭素-炭素結合開裂 / 速度論的光学分割 / ワンポット連続反応
研究概要 パラジウムを触媒とする三級シクロブタノール類とハロゲン化アリールとの反応において、光学活性ホスフィン配位子を用いることで、エナンチオ選択的に炭素-炭素結合が開裂し、新たに炭素-炭素結合生成反応を経て光学活性なケトンが得られることを見出した。また、不斉アリール化反応と同様に、不斉ビニル化及び不斉アレニル化反応も効率よく進行する事を見出した。新たに開発したこの光学活性配位子は、フェロセン環上にジフェニルホスフィノ基及び不斉炭素を有するアミノエチル基を有しており、高い不斉収率で目的生成物を得るためには、アミン上に一つのメチル基ともう一つの置換基としてアダマンチル基のようなかさ高い置換基が必要である事が明らかとなった。さらに、炭素-炭素結合開裂を経るアリール化反応を用いた、ラセミ体の三級シクロブタノール類の速度論的光学分割においては、光学活性ケトンならびに光学活性アルコールを良好な不斉収率で得る事に成功した。これらは、エナンチオ選択的に炭素-炭素結合を開裂させるというこれまでに例のない興味深い反応である。一方、三級シクロブタノール類のアリール化反応において、アリール化剤として1,2-ジハロベンゼンを用いて反応を行うとγ-アリールケトンの生成後、続いて分子内で起こるケトンのアリール化反応によって対応するインダン誘導体がワンポットで合成できることが明らかとなった。この場合も、用いるシクロブタノールの種類によっては光学活性なインダン誘導体が得られることが明らかとなっており、これは炭素-炭素結合開裂を経る新しい反応として期待できる。
発表文献 Nishimura Takahiro, Matsumura Satoshi, Maeda Yasunari, Uemura Sakae:   "Palladium-catalysed asymmetric arylation of tert-cyclobutanols via enantioselective C-C bond cleavage"  Chemical Communications 1号.  50-51  (2002)  
Nishimura Takahiro, Matsumura Satoshi, Maeda Yasunari, Uemura Sakae:   "Palladium-catalyzed kinetic resolution of tert-cyclobutanols via C-C bond cleavage"  Tetrahedron Letters 43巻16号.  3037-3039  (2002)  
Matsumura Satoshi, Maeda Yasunari, Nishimura Takahiro, Uemura Sakae:   "Palladium-Catalyzed Asymmetric Arylation, Vinylation, and Allenylation of tert-Cyclobutanols via Enantioselective C-C Bond Cleavage"  Journal of the American Chemical Society 125巻29号.  8862-8869  (2003)  
Nishimura Takahiro, Araki Hitoshi, Maeda Yasunari, Uemura Sakae:   "Palladium-Catalyzed Oxidative Alkynylation of Alkenes via C-C Bond Cleavage under Oxygen Atmosphere"  Organic Letters 5巻17号.  2997-2999  (2003)  
Nishimura Takahiro, Uemura Sakae:   "Novel Palladium Catalytic Systems for Organic Transformations"  Synlett 2号.  201-216  (2004)  


 

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