フェロセニル基の立体的な特性を利用した不斉触媒の開発と応用


研究課題名 フェロセニル基の立体的な特性を利用した不斉触媒の開発と応用
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 2003
研究期間 2002-2003
研究課題番号 14740398
研究代表者 福田 勉  (フクダ,ツトム) 長崎大学・工学部・助手
研究代表者番号 80295097
研究機関 長崎大学 研究機関番号:17301
研究種目 若手研究(B) 研究種目コード:260
研究分野[3] 合成化学 研究分野コード:4702
キーワード フェロセニルアルキルアミン / 不斉触媒 / フェロセニル基(Fc基) / リチオ化 / ピロールアルカロイト / アザフェロセン
研究概要 海洋産のベッコウタマガイやホヤから、アミノ酸チロシンの二次代謝物と考えられる3,4-ジアリールピロールアルカロイドが多数単離されている。これらのアルカロイドの多くが極めて有用な生理活性(多剤耐性がんに対する抗腫瘍活性、多剤耐性逆転作用、HIV-1 integrase阻害作用等)を有している。今回、ヒンスバーグ型ピロール合成反応及び3,4-ジヒドロキシピロールビストリフレートのパラジウム触媒による鈴木カップリング反応を鍵反応とする3,4-ジアリールピロールアルカロイド、ラメラリン類の化学合成を行った[Tetrahedron Lett.,44(24),4443-4446(2003).]。この研究において中間体として得られるピロール誘導体は、フェロセンと類似の構造を有するアザフェロセンの出発物質として使用可能である。
また、フェロセンと類似の構造を有するアザフェロセンの面不斉導入を伴うエナンチオ選択的リチオ化反応について検討した。その結果、1',2',3',4',5'-pentamethylazaferroceneを基質に用い、(-)-sparteineの存在下、sec-BuLiを用いてピロリル環上でのリチオ化を行い、次いで求電子試剤と反応させたところ、最高81%のエナンチオ選択性でピロリル環2位への官能基導入が可能なことを見出した。一方、1',2,2',3',4',5,5'-heptamethylazaferroceneを基質に用い、光学活性ビスオキサゾリン配位子の存在下、sec-BuLiでリチオ化を行い、次いで求電子試剤で処理を行うと、最高99%のエナンチオ選択性でピロリル環2位メチル基上での官能基導入を達成できた[Tetrahedron Lett,44(50),7503-7506(2003).]。特に1',2,2',3',4',5,5'-heptamethylazaferroceneの側鎖メチル基へのエナンチオ選択的リチオ化-官能化によって得られたアザフェロセン誘導体は、フェロセニル基の立体的な特性を精査する上で重要である。
今後はアザフェロセンを利用して、不斉配位子への展開を行う予定である。さらにこれまでに開発してきたフェロセン系の配位子との構造の相違による不斉誘起能の違いについても考察を行う予定である。
発表文献 M.Iwao, T.Takeuchi, N.Fujikawa, T.Fukuda, F.Ishibashi:   "Short and flexible route to 3,4-diarylpyrrole marine alkaloids : syntheses of permethyl storniamide A, ningalin B, and lamellarin G trimethyl ether"  Tetrahedron Letters 44・24.  4443-4446  (2003)  
T.Fukuda, K.Imazato, M.Iwao:   "Enantioselective synthesis of planar chiral azaferrocenes via chiral ligand-mediated ring- and lateral lithiations"  Tetrahedron Letters 44・40.  7503-7506  (2003)  


 

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