剛直な分子骨格の特性を活かした典型元素化合物の構築と機能発現


研究課題名 剛直な分子骨格の特性を活かした典型元素化合物の構築と機能発現
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 2004
研究期間 2002-2004
研究課題番号 14703027
研究代表者 河内 敦  (カワチ アツシ) 広島大学・大学院・理学研究科・助教授
研究代表者番号 70260619
研究機関 広島大学 研究機関番号:15401
研究種目 若手研究(A) 研究種目コード:250
研究分野[3] 合成化学 研究分野コード:4702
キーワード 剛直骨格 / 典型元素 / シラノルボルナジエン / ホスホニウムイリド / 5配位ケイ素化合物 / 1,4-シリル転位
研究概要 (1)(2-ボリルフェニル)シラン化合物の合成およびフッ化物イオンとの反応
分子内に複数のホウ素原子やケイ素原子を有する分子は,多座ルイス酸として興味深い性質を示すことが期待される。本研究では,2種類の異なる元素を含んだ多座ルイス酸として[2-(ジメシチルボリル)フェニル]ジメチルシラン(1)を合成し,この1とフッ化物イオンとの反応について検討をおこなった。(o-ブロモフェニル)シラン2をEt_2O中,-78℃で2モル量のtert-BuLiによりリチオ化し,これに1モル量のフルオロジメシチルボランを反応させることで,1を白色固体として収率84%で得た。この1にトルエン中室温にて,18-crown-6または[2,2,2]cryptand存在下で1モル量のKFを作用させると,ケイ素原子上の水素原子がフッ素原子に置換された化合物が生成した。X線結晶構造解析により,脱離したヒドリドはホウ素原子によって捕捉され,ヒドロボレートを形成していることを明らかにした。
(2)7-クロロ-7-シラノルボルナジエン化合物と求核剤との反応
昨年,7-クロロ-7-メシチル-7-シラノルボルナジエン1の合成を報告した。本年度は,1と種々の求核剤との反応を検討し,興味深い知見を得た。THF-benzene混合溶媒中で1にリチウムフェニルアミドを作用させると,ケイ素原子上で求核置換反応が進行し,対応するアミノシラン2が収率52%で生成した。X線結晶構造解析により,この反応ではケイ素原子上の立体化学が保持されることがわかった。同様に1とn-BuLiとの反応では,ブチルシラン3が収率53%で得られた。これらに対して,tert-BuLiとの反応では,分解生成物であるテトラフェニルナフタレン(4)が収率57%で得られたが,ケイ素原子を含む化学種の単離・同定には至らなかった。MeLiとの反応では,4とともにテトラメチルジメシチルジシランが収率10%で生成した。また,1に2モル量のMe_3SnLiを作用させると,4とともにメシチルトリス(トリメチルスタンニル)シランが収率27%で生成した。
発表文献 A.Kawwachi, Y.Oishi, T.Kataoka, K.Tamao:   "Preparation of Sulfur-Substituted Silyllithiumus and Their Thermal Degradation to Silylenes"  Organometallics 23・12.  2949-2955  (2004)  
M.Yamashita, H.Murakami, T.Unrrin-in, A.Kawachi, K.-y.Akiba, Y.Yamamoto:   "Synthesis and Structure of a Germylene Bearing a 1,8-Dimethoxyanthracene Ligand"  Chem.Lett. (印刷中).   (2005)  
A.Kawachi, H.Maeda, K.Tamao:   "Substituent-Control of Two Modes of Intramolecular Reactions of Allyloxy-Silyllithiums and Propargyloxy-Silullithiums"  Bull.Chem.Soc.Jpn. (印刷中).   (2005)  


 

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