微小圧力変化を光情報で読み出す超分子デバイスの開発


研究課題名 微小圧力変化を光情報で読み出す超分子デバイスの開発
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 2002
研究期間 2001-2002
研究課題番号 13875177
研究代表者 菊池 純一  (キクチ,ジユンイチ) 奈良先端科学技術大学院大学・物質創成科学研究科・教授
研究代表者番号 90153056
研究機関 奈良先端科学技術大学院大学 研究機関番号:14603
研究種目 萌芽研究 研究種目コード:401
研究分野[2] 合成化学 研究分野コード:474
キーワード 圧力-光情報変換 / 分子デバイス / ステロイドシクロファン / 胆汁酸 / ホスト・ゲスト相互作用 / 動的分子認識 / 脂質膜 / 誘導適合機能
研究概要 本研究では、分子に与えた圧力変化(力学エネルギー)を光シグナル(光エネルギー)に直接変換できる、新規の分子デバイスの開発を目的として研究を推進した。前年度までに、シクロファン骨格に4つの胆汁酸部位を導入したステロイドシクロファンを開発し、この気-水界面での動的分子認識特性を利用して圧力-光情報変換が可能な分子デバイス機能の発現に成功した。今年度は、動的分子認識能をもつ新たなホストの開発と、分子デバイスとしての適用範囲について検討し、以下の成果を得た。
1.動的分子認識能をもつホストの開発と分子認識機構の解明
ステロイドシクロファンに加えて、カリックスアレーン骨格をもつ種々の新規ホストを開発した。これらホストの分子構造と分子認識能との相関を詳細に検討し、特にステロイドシクロファンにおいては胆汁酸部位における水酸基の数ならびに位置の相違が分子認識能に顕著な影響を与えることを見出した。さらに、ホストが提供する不斉環境にもとづき、ゲストの認識情報を円二色性スペクトルとして出力可能であることも明らかにした。
2.動的分子認識能をもつホストの分子デバイスとしての適用範囲の評価
分子認識場やゲストの違いに応じて動的分子認識能を発現できるホストは、疎水性効果、静電効果、ならびに水素結合効果等が同時に作用する多重分子認識場、すなわち、単分子膜中、二分子膜中、及び固体基板上において、分子デバイスとして有効に機能することを明らかにした。
以上のように、本研究を通じて、圧力-光情報変換が可能な分子デバイスの設計指針ならびにその適用範囲が明らかになり、ナノテクノロジー・ナノサイエンスを開拓する上での一つの有効な分子素子を提案することができた。
発表文献 菊池 純一:   "人工細胞膜で創る超分子ナノデバイス"  マテリアルインテグレーション 14・5.  49-53  (2001)  
K.Ariga:   "Information Conversion on Molecular Assemblies Containing Steroid Cyclophanes"  Thin Solid Films 393.  291-297  (2001)  
K.Ariga:   "Modulation of Photo-signal Based on Molecular Recognition by Steroid Cyclophane in Lipid Assembly"  Mol. Cryst., Liq. Cryst. 370.  343-346  (2001)  
菊池 純一:   "生体機能を模した超分子デバイスの構築"  応用物理 70・12.  1414-1418  (2001)  
K.Ariga:   "Molecular Recognition by Wall-Assembling-Type Nanocavity in Aqueous Media"  J. Nanosci. Nanotech. 2・1.  41-44  (2002)  
J.Kikuchi:   "Steroid Cyclophane as a Versatile Artificial Receptor. Molecular Recognition in Water, at Air-Water Interface, and in Lipid Bilayer Membrane"  J. Supramol. Chem. 1・4-6.  275-281  (2002)  


 

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