目的遺伝子を分子認識する新規キャリアの開発


研究課題名 目的遺伝子を分子認識する新規キャリアの開発
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 2002
研究期間 2000-2002
研究課題番号 00J02047
研究代表者 竹内 良人  (タケウチ,ヨシト) 静岡県立大学・薬学研究科・特別研究員(DC1)
研究機関 静岡県立大学 研究機関番号:23803
研究種目 特別研究員奨励費 研究種目コード:500
審査区分 国内 区分コード:21
研究分野[2] 合成化学 研究分野コード:474
キーワード 光線力学療法 / 光増感剤 / カチル化ポリエチレンイミン / 血管新生 / ポリカチオンリポソーム / 免疫蛍光染色 / がん転移
研究概要 光増感剤と励起レーザー光との併用により産生される活性酸素でがん組織の殺傷を促す光線力学療法(PDT)において、新生血管をターゲットとした光増感剤封入リポソームの開発およびその特性、作用等を検討した。腫瘍中の新生血管内皮細胞に効率よく光増感剤を導入すべく、光増感剤内封ポリカチオンリポソーム(PCL)を新規に開発した。
PCLの血清に対する構造安定性がカチオン性ポリマー未修飾リポソームに比べ高いことが明らかとなった。血管内皮細胞内の光増感剤濃度はPCLを用いることで3倍ほど増大することを確認した。血清存在下でのPDTによる細胞殺傷能はPCLを用いた際に有意に高く現れた。この細胞殺傷能は血清存在下においてボリカチオンの被覆量の増大に伴い高くなることも確認された。
PCL適用時のin vivoでの腫瘍増殖抑制効果ならびにその作用機序を検討した。背部皮下法を用いて新生血管を誘導したマウスにリポソーム化光増感剤を投与し、15分後にレーザー照射を行うことでPDT処理したマウスの新生血管部位を観察した結果、PCL投与群のみに新生血管の傷害を確認した。担がんマウスを用いPDT処理を行った後の腫瘍増殖抑制や延命効果もPCL投与群のみ有意な効果が見られた。PDT処理後にがんを摘出し、その組織切片に免疫蛍光染色を施した際の顕微鏡観察の結果から、PCL投与群においてPDTによる新生血管内皮細胞の減少および周辺のがん細胞に対するアポトーシスの進行が顕著に見られた。さらにBPD-MA PCLを用いたPDTががん転移抑制効果も有することも明らかとなった。
以上から、新生血管をターゲットとしたがん治療において、光増感剤内封PCLが高いがん治療効果をもたらす新規PDT用DDS製剤として有用であることが示された。
発表文献 竹内良人, 黒羽子孝太, 市川香苗, 米澤正, 南後守, 奥直人:   "Induction of intensive tumor suppression by antiangiogenic photodynamic therapy using polycation-modified liposomal photosensitizer"  Cancer 97・8.  2027-2034  (2003)  
竹内良人, 渡部弘之, 柏田歩, 永田衛男, 大塚俊明, 西野憲和, 川井秀記, 長村敏彦, 黒野幸久, 奥直人, 南後守:   "Molecular Assembly of Zinc-Nickel Hybrid Porphyrin Dimer Using Synthetic 4 -Helix Polypeptides"  Chemistry Letters 8.  848-849  (2002)  


 

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