分子内エキサイプレックス発光制御に基づく新規イオン認識蛍光プローブの開発


研究課題名 分子内エキサイプレックス発光制御に基づく新規イオン認識蛍光プローブの開発
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 2000
研究期間 1999-2000
研究課題番号 11740406
研究代表者 西沢 精一  (ニシザワ セイイチ) 東北大学・大学院・理学研究科・助手
研究代表者番号 40281969
研究機関 東北大学 研究機関番号:11301
研究種目 奨励研究(A) 研究種目コード:210
研究分野[2] 分離・精製・検出法 研究分野コード:346
キーワード exciplex / ion recognition / fluorescence / probe
研究概要 本研究では,光誘起電子移動(Photoinduced Electron Transfer)反応を利用した,いわゆるPET型と呼ばれる蛍光プローブの新たな展開として,PETにおける電荷移動中間体であるエキサイプレックス(EX)に着目し,分子内EX発光制御に基づくアルカリ金属イオン認識蛍光プローブの開発を行った。蛍光団としてピレン,金属イオン認識部位としてアミドベンゾ15-クラウン-5を採用し,また,両者を繋ぐスペーサーとして長さの異なるアルキル鎖(-C_nH_<2n>-,n=0,1,3,5)から構成される一連の化合物を合成した。種々の有機溶媒中における蛍光スペクトルを測定したところ,EX発光の量子収率がスペーサー長に大きく依存することを見い出した。すなわち,EX発光の量子収率はn=3の場合に最大となり,n=3>n=5>n=1の順に減少する。また,形成するEXのコンフォメーションもスペーサー長に依存し,n=3ではface-to-face型,n=1ではface-to-edge型のEXを形成することが分かった。EX発光の量子収率が最大となるn=3の化合物について,アルカリ金属イオン添加に伴う蛍光スペクトル変化を測定したところ,等発光点を伴ってEX発光が減少し,モノマー発光が増大することを見い出した。これはアルカリ金属イオンとの錯形成によりクラウン部位の電子供与性が低下した結果であると考えられ,EX形成をイオン認識により制御できることを意味する。従来のPET型蛍光プローブが単一蛍光強度変化のみを利用しているのに対し,本研究で開発した蛍光プローブではモノマー/EX発光の強度比が変化するため,分析化学的に有用な2波長強度比解析が可能である。また,同様な設計指針により中性・アニオン性基質に対する2波長解析蛍光プローブ開発への展開も期待できることから,本研究で得られた結果は,今後のEX発光性蛍光プローブ開発において重要な基礎知見と成り得ると言える。


 

Copyright 2007 All Rights Reserved ja-tec.com