界面活性剤ミセル中へのヌクレオチドの分配特性の解明と分離特性の評価


研究課題名 界面活性剤ミセル中へのヌクレオチドの分配特性の解明と分離特性の評価
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 1999
研究期間 1998-1999
研究課題番号 10874112
研究代表者 石黒 慎一  (イシグロ シンイチ) 九州大学・大学院・理学研究科・教授
研究代表者番号 80111673
研究機関 九州大学 研究機関番号:17102
研究種目 萌芽的研究 研究種目コード:400
研究分野[2] 分離・精製・検出法 研究分野コード:346
キーワード ミセル / 界面活性剤 / 可溶化 / 蛍光スペクトル / ヌクレオチド / フェナントロリン
研究概要 非イオン性(Triton)および陰イオン性(SDS)界面活性剤の混合ミセルへの疎水性分子であるフェナントロリン(phen)誘導体および核酸塩基(アデニンおよびAMP)の可溶化現象を電位差滴定法、精密滴定カロリメトリー、分光光度滴定法、密度滴定法、蛍光光度法で調べた。まず界面活性剤を含まない水溶液中で、疎水性分子のプロトン化定数を求め、界面活性剤(Triton)溶液中でのプロトン化定数から化学種の水溶液とミセル間の分配定数を決定した。2,9-ジメチルフェナントロリンの中性分子はphenに比較して、より強く可溶化することが示され、それが可溶化のエンタルピー変化のみに依存し、エントロピーは変化しないことが明らかになった。さらにミセル内部は、より疎水的なコア相(オクチルフェニル基)と親水的な界面相(エチレンオキシド基)の2重構造を形成し、疎水性分子はいずれの相にも可溶化することが示され、各相への移行の熱力学的パラメータが決定された。また、フェナントロリンの蛍光はコア相では完全に消光され、界面相では部分的に消光されることがわかり、界面相での水分子の含有量を見積もる方法論を確立した。一方、カチオン性のHPhen^+およびH(phen)_2^+は全く可溶化しない。同様に、核酸塩基であるアデニンとAMPもTritonミセルには全く可溶化しない。この理由はアデニンの窒素部位の水和が強く、分子の疎水性が低下していること、またAMPでは、燐酸基の水和が強く非イオン性界面活性剤への可溶化が阻害されるものと考えられる。アデニンの混合ミセルへの可溶化をTritonとSDSの割合を変えて調べると、わずかであるが可溶化することが示された。アデニンは非イオン性よりも陰イオン性界面活性剤と相互作用することがわかった。核酸塩基のミセルへの可溶化は水素結合性アダクトを形成させることにより促進するものと考えられ、目下検討中である。
発表文献 S.Ishiguro:   "Solvation structure and bromo complexation of neodymium(III) and yttrium(III) ions in solvent mixtures of N,N−dimethylformamide and N,N−dimethylacetamide"  Phys.Chem.Chem.Phys. 1.  2725-2732  (1999)  
梅林泰宏:   "精密カロリメトリーによる疎水性クラスターの生成熱力学"  表面 37・10.  596-609  (1999)  
M.Komiya:   "Ternary complexation of manganese(II) and cadmium(II) with 1,10−phenanthroline and halide or thiocyanato ions in N,N−dimethylformamide"  J.Solution Chem. 29.  165-182  (2000)  
M.Shin:   "Formation of copper(II) thiocyanato and cadmium(II) iodo complexes in micelles of nonionic surfactants with varying poly(ethylene oxide) chain lengths"  J.Colloid and Interface Sci. 224(in press).   (2000)  


 

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