溶媒効果を取り入れた分子軌道法の開発と溶液内化学反応への応用


研究課題名 溶媒効果を取り入れた分子軌道法の開発と溶液内化学反応への応用
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 1997
研究期間 1996-1997
研究課題番号 08640633
研究代表者 菊池 修  (キクチ オサム) 筑波大学・化学系・教授
研究代表者番号 30015771
研究機関 筑波大学 研究機関番号:12102
研究分担者 守橋 健二(モリハシ ケンジ):筑波大学・化学系・助教授 (90182261)
高橋 央宜(タカハシ オウギ):筑波大学・化学系・講師 (80241785)
研究種目 基盤研究(C) 研究種目コード:320
審査区分 一般 区分コード:03
研究分野[2] 物理化学 研究分野コード:341
キーワード 溶媒効果 / ad initio法 / MC/MO複合法 / トリハライド / 酸化窒素ラジカル / 超微細結合定数
研究概要 1)3個のハロゲン原子からなるトリハライドアニオンは溶液中ではハロゲン分子とハライドアニオンに解裂する状態と平衡にあり、その安定性は構成するハロゲンの種類と溶媒の種類によって大きく異なる。トリハライドアニオンに共通する性質として、(1)構成するハロゲン原子が重いものほど安定である。(2)2種類以上のハロゲン原子を含む場合、最も重い原子が中心に位置する構造のみ観測される。(3)溶媒の極性が低いほど解離状態よりトリハライドアニオン状態が安定である。F、Cl、Br、Iを含むトリハライドアニオン系に対してab iniito GB法を適用し、これらの構造、安定性、反応性についてハロゲンの種類による違い、溶媒による効果を明らかにできた。
2)ab iniito GB法では、水素結合のような溶質-溶媒間の直接的な相互作用を含んでいない。この相互作用は超分子計算で取り入れられるが、その際溶媒分子の配置が問題となる。本研究で開発するMC/MO複合法はMCシミュレ-ションにより溶媒構造を発生させ、順次ab iniito MO計算を行い、その統計的処理により溶液中の溶質分子の電子構造を解析する。この研究では、ジメチル酸化窒素ラジカル(DMNO)の水溶液中とクロロフォルム中での超微細結合定数を計算した。溶媒分子の配置はこれらの溶液のMCシミュレ-ションから選び、300配置のab iniito MO計算の平均値として超微細結合定数を求めた。いくつかの溶媒分子を取り入れて、溶質分子と共に超分子計算を行ったところ、電子移動が認められた。これらの電子移動はN-O結合を分極させるが、その方向が静電相互作用により分極方向と同じであった。電子移動の効果は溶媒効果の40%と大きく、超分子計算の重要性が明らかとなった。
発表文献 O.Kikuchi, N.Tomosawa, O.Takahashi, K.Morihashi: "Ab initio GB Study of Chemical Intermediates in Solution. Ethylenesulfonium ion in Hydrolysis of 2-Chloroethyl..." Heteroatom Chemistry. in press.
Y.Ogawa, O.Takahashi, O.Kikuchi: "Ab initio GB Study of structure and stability of X_3-(X=F,Cl,Br,I)in solution." Theochem. in press.
Y.Ogawa, O.Takahashi, O.Kikuchi: "Ab initio MO Study of structure and stability of hetero-nuclear trihalide anions in the gas phase and in solution." Theochem. in press.
T.Yagi, H.Takase, K.Morihashi, O.Kikuchi: "Monte Carlo and molecular orbital study of solvent effect on the electronic structure and hyperfine coupling constants..." Chemical Physics. in press.


 

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