光反応初期生成コンタクトラジカル対と異常スピン分極


研究課題名 光反応初期生成コンタクトラジカル対と異常スピン分極
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 1997
研究期間 1996-1997
研究課題番号 08454172
研究代表者 村井 久雄  (ムライ ヒサオ) 東北大学・大学院・理学研究科・助教授
研究代表者番号 50142261
研究機関 東北大学 研究機関番号:11301
研究分担者 前田 公憲(マエダ キミノリ):東北大学・大学院・理学研究科・助手 (70229300)
研究種目 基盤研究(B) 研究種目コード:310
審査区分 一般 区分コード:03
研究分野[2] 物理化学 研究分野コード:341
キーワード スピンダイナミックス / TMPD / 光電導検出磁気共鳴法 / 過渡吸収検出磁気共鳴法 / ラジカルイオン対 / コンタクトラジカル対 / Xanthone / 光誘起電子移動反応
研究概要 凝縮相光化学反応系におけるラジカル対のスピンダイナミックスは科学反応分岐過程において重要な役割を演じている。本研究の目的は、未だ明らかにされていない初期生成準安定コンタクトラジカル対の生成と、そのラジカル対におけるスピンダイナミックスを明らかにすることである。
前年度は時間分解光電導検出磁気共鳴法と過渡吸収検出法の組を合わせ、TMPDのアルコ-ル溶液における光イオン化反応過程で生じる中間体ラジカルイオン対を研究対象とした。ESR共振器内における、レ-ザ-パルス光照射後の過渡的信号変化から、TMPDのカチオンと溶媒和電子によるラジカルイオン対検出の試みに成功した。また、このスペクトルの線幅に関しては、イオン間の交換相互作用のような強い相互作用を反映しているものと結論づけた。
今年度は、光電導検出法をさらにを、キサントンとジエチルアニリンの系における光誘起電子移動反応の系への応用を試み、成功をおさめた。この系は均一溶液であるにも関わらず、大きな磁場効果を示すが、そのラジカルイオン対の寿命の決定は困難とされていた。本研究では、緻密な定量実験の結果、生じたラジカルイオン対の寿命が200ナイ秒と非常に長いことを明らかとすることに成功した。また、その寿命の原因が溶媒分子とラジカルイオン対によるネットワ-ク形成に起因できると結論づけることができた。さらに、観測されたスペクトルにはESRの禁制遷移のスペクトルが観測されており、このことはイオンラジカル間の距離の揺らぎによりコンタクト状態にまで接近していることを示す証拠となった。
発表文献 K.Enjo: "Effect of polymethylene-Chain Dynamics on the Lifetime of a Charge-Separated Biradical Studied by the RYDMR Spectroscopy." J.Phys.Chem.(B). 101. 10661-10665 (1997)
T.Fukuju: "Singlet-Born SCRP Observed in the Photolysis of Tetrapheny1-hydrazine in an SDS Micelle : Time Dependence of the Population・・・" J.Phys.Chem.(A). 101. 7783-7786 (1997)
K.Maeda: "The time-resolved ADMR in the photolysis of the polymethylene-linked system of xanthone and xanthene : Power dependence." Appl.Magn.Reson.12. 431-439 (1997)
K.Enjo: "Reaction-Yield-Detected Magnetic Resonance in the Intra-and Intermolecular Electron Transfer Reactions." Appl.Magn.Reson.12. 423-430 (1997)
H.Murai: "Several RYDMR Studies on the Radical-Ion Pair Formed in the Photolysis of TMPD : Photoconductivity,Transient-Absorption.・・" Appl.Magn.Reson.12. 411-422 (1997)
H.Murai: "Controlling of Radical-Ion Pair Reactions with Microwave : Photoconductivity Detected Magnetic Resonance." Chem.Phys.Letters. 264. 619-622 (1997)


 

Copyright 2007 All Rights Reserved ja-tec.com