サ-ザ-パルス温度ジャンプ法を用いた蛋白質の構造ダイナミクスに関する研究


研究課題名 サ-ザ-パルス温度ジャンプ法を用いた蛋白質の構造ダイナミクスに関する研究
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 1995
研究期間 1995-1995
研究課題番号 07740474
研究代表者 水谷 泰久  (ミズタニ ヤスヒサ) 岡崎国立共同研究機構・分子科学研究所・助手
研究代表者番号 60270469
研究機関 岡崎国立共同研究機構 研究機関番号:63901
研究種目 奨励研究(A) 研究種目コード:210
研究分野[2] 物理化学 研究分野コード:341
キーワード 温度ジャンプ法 / ラマン分光法 / 蛋白質ダイナミクス
研究概要 レ-ザ-パルス光を用いた高速の温度ジャンプにより、蛋白質の構造ダイナミクスを調べるために以下のことを行った。
実験装置の製作 まず、レ-ザ-パルス光を用いて高速の温度ジャンプが可能な実験システムを製作を行った。レ-ザ-パルス温度ジャンプの光源としては現有のQ-スイッチNd:YAGレ-ザ-(パルス幅10ナノ秒)を用いた。レ-ザ-温度ジャンプの方法としては、溶媒である水自身にエネルギ-を吸収させる方法について特に検討した。水は近赤外領域(1.9μm)に強い吸収(20cm-1)をもつ。この吸収帯で水を励起すると、直接溶媒である水の温度を上げることができる。そこで、Nd:YAGレ-ザ-の基本波(1064nm)を高圧の水素ガスセルに入射し、水素分子の誘導ラマン光(H-H伸縮振動による1次のスト-クス光)により1.9μmのパルス光を得ることを試み、それに成功した。さらに、この誘導ラマン光が最も効率よく得られる水素のガス圧やポンプ光の収光の度合などを検討し、最適な条件を求めた。
上昇温度の見積もり 試料の温度上昇を、ラマンスペクトルのスト-クス光とアンチスト-クス光の強度比から求めることを試みた。スト-クス光とアンチスト-クス光の強度比は系のボルツマン分布によって決定されるので、なんら仮定をはさむことなくこの強度比から試料の温度を見積もることができる。これはラマン分光法を用いることの大きな利点である。しかし、期待される十度程度の温度差を精度よく知るには、低波数領域のバンド強度を正確に求める必要がある。現在のところ分光器内の迷光のために、この見積りがうまくできていない。しかし、狭帯のカットフィルタ-を用いることにより、迷光の原因となるレ-リ-散乱やレ-ザ-の洩れ光をカットすることができるので、現在適当なフィルタ-を検討中である。この問題を解決し次第、すぐに蛋白質の構造緩和の実験に取りかかる予定である。
発表文献 Charles M.Phillips: "Ultrafast Thermally Induced Unfolding of RNase-A" Proceedings of the National Academy of Science. 92. 7292-7296 (1995)
Masako-Nagai: "Ultraviolet Resonance Raman Studies on Quaternary Structure of Hemoglobin Using a Tryptopham(337 Mutant" Journal of Biological Chemistry. 270. 1636-16424 (1995)


 

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